北海道の十勝地方では11月から毛ガニ漁が始まったが、しけなどの影響で不漁が続いている。カニの不漁の影響を取材した。

不漁で価格が高騰

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広尾町の十勝港で水揚げされた毛ガニ。

11月下旬から12月9日までの水揚げ量はわずか4.5トン。

例年の3分の1ほどにとどまっている。

広尾漁協毛蟹かご部会・保志光則部会長:
水揚げが少なくて値段が高く、売る側も難しい。これから寒くなって水温が下がれば浅いところでも取れるようになる。値段が安くなるので、みんなに食べてもらいたい

不漁の影響が人気のイベントにも及んでいる。

毎年この時期開催される「広尾毛がにまつり」。直径2メートルの釜で新鮮な毛ガニをゆでた「大釜ゆで」が、行列ができるほどの名物だった。

しかし、2022年はカニが確保できないため中止となった。

イベント自体は開催されるが、名称を「毛がにまつり」から「まんぷくまつり」に変更した。

広尾町 水産商工観光課・山田雅樹さん:
各出展者の店は通常通り。「大釜ゆで」がない分、みなさんの期待値が下がらないようにステージイベントなども用意した

毛ガニのほか、サケやシシャモなど広尾町の特産品が販売された。

毛ガニの不漁の影響は札幌市にも。年の瀬を迎え書き入れ時の二条市場だ。

入荷するカニの量は。

本間鮮魚店・本間浩社長:
例年の1割もあるのかな。品物が全然なくて、今の相場の値段を言う「う~ん」と客が考え込んでしまう。2021年は4000~5000円だったものが、9000~1万円ぐらいになっている

高騰しているのは毛ガニだけではない。年末年始の食卓に欠かせない海産物が。

本間鮮魚店・本間浩社長:
サケ・イクラ・カズノコ。ほとんどのものが上がっている。円安の影響で、その分高く仕入れなければならない。年が明けるとまた値段が上がってしまうかもしれない

値上げの波が止まらない。家計にとって厳しい年末年始となりそうだ。