天皇皇后両陛下は11月26日、東京・渋谷区で開催された「ボーイスカウト日本連盟 創立100周年記念式典」に出席されました。

この記事の画像(9枚)

野外活動を通しての青少年育成を目的としたボーイスカウト運動は、明治40(1907)年にイギリスではじまり、大正11(1922)年に日本連盟が創立。

そのきっかけは、大正10(1921)年、昭和天皇がイギリス訪問の際、ボーイスカウト運動の創始者であるベーデン=パウエル卿と面会し、スカウト運動に関心を持ったことでした。
日本のボーイスカウト運動は皇室と深いゆかりがあります。

キャンプや登山の思い出

胸元にボーイスカウトの記章「名誉富士スカウト章」を着けられた陛下。おことばの中で、ボーイスカウトの思い出を語られました。

《天皇陛下のおことばより》
私が、日本連盟の行事に初めて参加したのは、今から44年前の昭和53年に静岡県御殿場市で開催された第7回日本ジャンボリーでした。その後も日本ジャンボリーやシニアースカウト大会、また、日本アグーナリーなどの諸行事に参加し、スカウトの皆さんとキャンプをしたり、富士登山をしたりしたことは今でも良い思い出になっています。
 

昭和53(1978)年8月 第7回日本ジャンボリー(静岡・御殿場市)
昭和53(1978)年8月 第7回日本ジャンボリー(静岡・御殿場市)

4年に1度行われる国内最大のキャンプ大会「ジャンボリー」。陛下は昭和53(1978)年8月の第7回大会の開会式に、ご家族と一緒に初めてご出席。野外でボーイスカウトがたてたお茶を飲むなど、参加者と交流されています。

ボーイスカウトがたてたお茶を飲まれる陛下
ボーイスカウトがたてたお茶を飲まれる陛下

その後も、昭和57(1982)年の第8回大会で、初めてキャンプ生活を体験され、テントに1泊。昭和61(1986)年の第9回大会でもテントに泊まり、バーベキューをされています。

昭和61(1986)年8月 第9回日本ジャンボリー(宮城・白石市)
昭和61(1986)年8月 第9回日本ジャンボリー(宮城・白石市)
昭和63(1988)年7月 第2回シニアースカウト大会(静岡・富士宮市)
昭和63(1988)年7月 第2回シニアースカウト大会(静岡・富士宮市)

昭和63(1988)年7月から8月にかけて開催された第2回シニアースカウト大会では、富士登山のプログラムにも参加し、山小屋に宿泊しましたが、この時は悪天候のため、途中で登頂を断念。

昭和63(1988)年8月 富士山須走口五合目付近
昭和63(1988)年8月 富士山須走口五合目付近

20年後の平成20(2008)年8月に富士登頂に成功されています。

スカウト活動の体験は得難い経験

近年も平成30(2018)年の第17回日本スカウトジャンボリーに参加するなど、ボーイスカウトの活動に関心を寄せてこられた陛下。

《天皇陛下のおことばより》
自然の中で仲間と一緒に知恵を出し合い、体を動かすことの大切さや、スカウト活動の楽しさを体験できたことも、得難い経験となりました。スカウトの皆さんが、様々な活動に積極的に参加し、日本全国、そして世界のスカウトとも友情を育みながら、良き社会人となるために研さんに励んでいる姿を頼もしく感じました。
 

スカウト活動を通じて、子供たちが健やかに育つことを願われた両陛下です。

(「皇室ご一家」12月11日放送)