公園などでよく見かける小鳥が止まった車止め柵。広島のメーカーが作っているが、全国にかわいい手編みの防寒着を着せる習慣が広がっている。そもそもは子供が車止めで遊んでけがをしないようにとつけられたもの。メーカーと広島の保育園でのイベントを取材した。

防寒着を着せる地域が続々と

車の侵入を防ぐ車止めの上にいる金属製の小鳥たち。

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1度は目にした人も多いはず。その名も「ピコリーノ」。広島市の製造メーカー、サンポールが41年前1981年に開発した。名前の由来はイタリア語の「piccola=小さい」からの造語とのこと。

サンポール・山根以久子社長:
ピコリーノは、これまで、もてはやされることは、そんななかったと思うんですけど、40年間、皆さんがずっと見てかわいがって、皆さんの心の中にあるんですよね。それでテレビなんか出させてもらったら、それからワーッと広がっちゃってファンが増えたような気がしますね

広島市内の保育園でこの小鳥たちに服を着せるイベントがあった。

服をかぶせた園児:
鳥さん、風邪ひかないでね

その数、76羽。近くのデイサービス施設と企業の人が手編みした布を、園児が羽の部分に被せた。

園児A:
かわいいと思った

園児B:
これから見るのが楽しみ

サンポールによると車止めの小鳥に服が着せられるようになったのは1999年からで、神奈川県の江ノ島駅で「寒そうだから」と地元の人が自主的に始めたという。

販売の累計は1万1000台を越え、北海道苫小牧市にも衣替えの愛好家がいるほど、服を着せることが全国的に広がっている。

車止めで子供が遊んでけがをしないよう

五十川裕明記者:
服を着た小鳥たち。中には帽子もついていてとても温かそうです。そもそもなんですけれども、なぜ車止めの上に小鳥がとまっているんでしょうか、かわいいだけではない理由があるようです

1年前から導入した保育園では、通常の車止めよりコストがかかったものの、効果を実感しているようだ。

うじな保育園(広島市)・田中眞理園長:
園児は鳥たちにおはようとあいさつをして入ってきます。さようなら、またね、あしたねと帰っていきます。なので効果は抜群です。ただの車止めだとこれが子供たちの遊び場になってしまうんです。例えばこの高さだと小鳥たちがいないと、これが跳び箱になってしまいます

小鳥たちは園児が車止めで遊んで、けがをすることを防ぐほか、園児を駐車場側に寄せつけない見守り役を果たしている。

サンポール・山根以久子社長:
着せる子どもたちも楽しんでくれるし、街を歩いてこれを見かけた人もちょっと笑ってしまう、微笑んでしまう。それがなんか物凄く嬉しくて、ピコリーノに負けないような製品をこれからも作っていきたいなと思いますね

車止めの上の動物は小鳥だけでなく、リスやカエルのバージョンもあるとのこと。
これから寒くなると、暖かそうな手編みの服を着た”小鳥“が増えるかもしれない。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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