11月23日、サッカーFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の初戦で強豪・ドイツ相手に歴史的勝利を飾ったサムライブルー。

8日のドイツ1部リーグの試合で頭部を強打し脳しんとうと診断され、一時は出場が不透明な状況だったボランチの遠藤航(29)はフル出場して不安を一掃。屈強なドイツ選手を相手に、リーグの“デュエル王”の本領を遺憾なく発揮、随所に頼もしいディフェンス力を見せ、日本の勝利に貢献した。※デュエル:“1対1の状況でボールを奪い合ったり競り合ったりすること”を意味する

英衛星放送局「スカイスポーツ」のスタットマン・デーブ氏は、自身の公式ツイッターで遠藤の画像付きでドイツ戦のスタッツを投稿。

ドリブル成功率:100%、タッチ数:55回、地上デュエル:9勝、タックル勝利: 4/4、クリア:2回、ブロック:2回、空中デュエル:2勝、インターセプト:1回

と数値を示し、遠藤は“中盤で光り輝く活躍”をしたと称賛した。
 

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「S-PARK」は、いまや代表に欠かせない存在となった遠藤をW杯開幕前にインタビュー、カタールW杯にかける思いを聞いていた。
 

遠藤少年が“10年後の自分”宛に書いた手紙

2008年2月19日、当時15歳(中学三年生)の遠藤は“10年後の自分宛に”手紙を書いていた。

その手紙には「僕は未来の自分がサッカー選手になり、プロとして活躍している事、日本代表として活躍している事を期待しています。そして、世界に通用するDFとしてサッカーを楽しんでいる事を期待しています。(一部省略)」と書いてあった。
 

「10年後の自分を本当にイメージして書いたんだなと思っててびっくりしたというか」

「本当にそれが今、現実的につかめそうなところにいるっていうことは、自分がそうやって積み上げてきたからこそなのか」
 

今やチーム、そして代表でも不動のボランチとして活躍する遠藤。※ボランチ:守備的ミッドフィルダー。ポルトガル語で「舵取り」の意味。攻守でバランスを取る選手のこと。
そのストロングポイントは何と言っても――。

「1対1で負けない、ボールを何度も奪う、というところに関しては特徴を持っているので。『デュエル』っていうのは守備だけではなくて、ボールを奪われないことも“1”とカウントされるので、『デュエル』に関してはワールドカップでも見せたいなと思っています」
 

ドイツ・ブンデスリーガで2年連続、デュエル勝利数1位にも輝くなど世界トップレベル。屈強な外国人にも全く引けを取らない。

4年前は代表に選ばれるも出場なし

その実力を世界に示すのがついに迎えるカタールW杯。

「(W杯は)もちろんベスト8というところが日本代表としては目標としてある」
 

その目標にあと一歩まで迫った4年前のロシアW杯ベルギー戦。

勝てばベスト8進出の試合で終盤にまさかの逆転を許し2対3で敗れた日本。ピッチの上で起きた悲劇を遠藤はただベンチから見ていることしかできなかった。前回大会では日本代表23人に選出されるも、遠藤の出場機会は「0」だった。

「すごく鮮明に覚えています。試合に出られない悔しさだったり、最後ベルギーに負けた悔しさだったりがあって、そこからの4年間で自分は少しでも成長したいという思いで、今こうやって日本代表で試合に出させてもらっている」
 

4年前のリベンジ。そして手紙を書いた今から14年前の自分の期待に応えるためにも、遠藤は日本代表としてW杯の舞台に立つ。

“結婚が早そうな同級生No.1”

そして手紙の最後にこう記されていた。
「あ、あと結婚してそうな男No.1に選ばれていました(クラスの中で)…。」

「中学生の当時の同級生から、『一番早く結婚しそうな奴に選ばれてるよ』みたいなことが書いてあって、結婚早かったので、同級生たちは見る目あったなと思います笑」

10代で結婚し、29歳の現在は4人の子供を持つお父さん。

「サッカーを忘れさせてくれるじゃないですけど、リフレッシュできますし、すごく安心させてくれる存在」

「もう長男は常に『パパ、点取ってね」と言ってくるんですけど、『いや、パパはそんな点取るタイプの選手じゃないんだよ』というのは毎回言ってるんですけど…照」
 

実は遠藤をパパと呼ぶのは子供たちだけではない。

「堂安 律とか、東京世代の若い選手たちは『パパ パパ』って呼んでくるので、年齢も上になってきてるので、代表でもパパと呼ばれるようになってきて、そういう何かパパ的な立ち位置にいるっているのかなと思ってます」

“航パパ”は家族だけではなく、日本のピッチの上でも大黒柱となっている。

追記:日本代表がグループステージ最終戦のスペイン戦(日本時間12月2日)へ向け練習を再開。チームの心臓として2試合連続でフル出場した遠藤選手はコスタリカ戦で右膝を痛めた影響でトレーニング用バイクをこぐなど別メニューでの調整となっている。(日本時間30日時点)

FIFAワールドカップカタール2022
12月1日(木)深夜2時直前SP~あさ4時キックオフ・日本×スペイン
フジテレビ系列にて生中継

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