10月31日のハロウィーン、かぼちゃでジャック・オ・ランタンを作ったり、仮装を楽しんだ人もいるのではないだろうか。
おばけや魔女、仮装の題材は色々だが、こんな“変化球”の衣装を作ってもらった3歳児が話題になっている。

ハロウィンで「ふみきりになりたい!」と言われたので作りました〜 (必死に既製品で行けるキャラへの誘導もしたけど意志は硬かった)
息子と話してここはどうしたい?と話しながらラフスケッチから完成させました。
垂れベルトがいい感じになって嬉しい!
ねこかわおもち(@omochi10_07)さんの3歳になる息子さんが、ハロウィンの仮装にリクエストしたのは、なんと踏切!
これを受けて、お母さんが踏切の設備そのものになれる衣装を手作りしたのだ。
頭にはバッテンマークの「踏切警標」がつき、胸には列車の進行方向を矢印で示す「指示器」が。
肩には赤色の「警報灯」が灯り、腕が「遮断棹」となって上げ下げできる…など、各パーツがしっかり作りこまれていて、手作りであることに驚いてしまう仕上がりだ。

息子さんの夢をかなえた衣装には「完成度が凄い!!踏切好きが凄く伝わってきますね」「踏み切りになりたいという謎のリクエストが可愛過ぎますし、それを否定せずに全力で答えたお母様も素敵過ぎます」「なりたいものに変身できた喜びは一入だったと思います」とコメントが続々。3万9000件を超える「いいね」がつく注目の投稿となった(11月4日現在)。
“完全手作り”のクオリティの高さに驚くばかりだが、この衣装が完成したときの息子さんの反応も気になるところ。さっそく、お母さんのねこかわおもちさんにお話を聞いてみた。
踏切そのものが大好きで、日頃から踏切ごっこ
――息子さんはどんな子?
年齢は3歳、好きなものは踏切・標識・いちご、性格はやさしくて甘えん坊です。
――改めて、この衣装を作ることになった経緯は?
9月の初め、ハロウィンの2ヶ月くらい前に、 通販サイトを一緒に見ながらリクエストを聞いていました。
もちろん踏切なんてどこの通販サイトにもありませんでした。 数日後も「踏切になりたい」というので熱意に折れて作ることに決めました。

――息子さんはどうして「踏切」をリクエストしたんだと思う?
踏切そのものが大好きで、日頃から手を上げ下げしながら「かんかんかん!」と言いつつ踏切ごっこをしていたので、元からなりたい願望があったのかもしれません。
――息子さんとお母さんそれぞれの「こだわりポイント」はどこ?
息子はラフスケッチにない部分、両肩に警報灯をつけたところと背中に非常ボタンをつけたところです。本物の踏切についているパーツをつけることにこだわっていました。
私は息子の希望したパーツをデフォルメしつつ、普通のTシャツにどうつけていくかばかり考えていました。

息子さんは喜んだ後に「スピーカーがない!」
――制作時間はどのくらい?
パラパラと作業していたのですがしっかりやったのは4日くらいで、寝かしつけた後の夜中に1、2時間やっていた感じでした。大体6時間くらいかと思います。
――作っていて大変だったところは?
保育園に着ていくものだったので、息子やお友達を傷つけないように柔らかに、それでも形状を保ってくれるにはどうするか…というのでしばらく考えていました。結局、厚地フェルトやフェルトをボール紙を挟む方法に落ち着きました。

――衣装が完成した時の息子さんのリアクションは…
こまめに制作過程を見せていたので大きな喜びはなかったのですが、喜んでました。
すぐに「(本物にはついている)スピーカーがない」と指摘をもらって笑ってしまいました(材料も時間もなかったので流石に諦めてもらいました)。
――ハロウィン当日は、この衣装はどんな風に活躍した?
保育園のハロウィンのイベントで着ていきました。近所の消防署や神社をまわってお菓子をいただいたそうです。
――反響への感想は…
初めは今までにない拡散され具合で心配になりました。でも皆さんの反応を見てみたら、子供の踏切姿だけでなく、私の事まで誉めてくださるコメントだったり、こういうハロウィンがいいよねという温かい意見ばかりでホッとしました。

9月、ハロウィンの仮装について息子さんと話したというお母さん。
息子さんは既製品の衣装がたくさん載ったサイトを見ながら、最初「怪盗グルー」シリーズに登場する黄色い生物「ミニオン」をリクエストしたそうで、他にも「ハチさん」「ミッキー」など、かわいい衣装の案が続々出たという。
しかし最終的には「やっぱり踏切がいい!」とのリクエストがあり、3つの案に「いいね!」と答えていたお母さんも、思わず「え!?」とリアクション。
その後は「『踏切楽しみ』としか言わなくなってしまった」という息子さん。お母さんは数日経っても冷めなかった息子さんの熱意をくんで、衣装を手作りすることに決めたのだそうだ。
そんなこだわりの衣装、元は白黒のボーダーだったシャツを黄色に手染めしたり、警報灯などしっかりとした形を作りたいパーツは安全性も考えて厚地のフェルトを使うなど、手間や細かな気遣いがたっぷり。
ハロウィンで「ふみきりになりたい!」と言われたので作りました〜
— ねこかわおもち@3y🍡🍡🍡 (@omochi10_07) October 31, 2022
(必死に既製品で行けるキャラへの誘導もしたけど意志は硬かった)
息子と話してここはどうしたい?と話しながらラフスケッチから完成させました。
垂れベルトがいい感じになって嬉しい! pic.twitter.com/QfK3Km3t50
それでも、完成後すぐに「スピーカーがない!」と気付き指摘したというところに、“踏切大好き少年”の鋭さが見えて思わず笑ってしまう。
お母さんの技術と愛情がたっぷり詰まった衣装を着たハロウィンは、きっと最高の思い出になったに違いない。