昨今は、企業が不祥事などを謝罪したにもかかわらず、その後も“SNSで炎上”するケースを見かけることがある。

SNSへの不適切な投稿や経営者の暴言など発端は様々だが、なぜ謝罪をしても炎上という結果になったのだろうか。“炎上経験がある”企業の担当者にアンケートしたところ、約半数が「謝罪タイミングが遅かった」ことを原因に挙げたことがわかった。

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調査はQUOカードを発行する株式会社クオカードが「SNSを意識した謝罪に関する実態調査」として7月に実施し、その結果を9月30日に公表した。

調査対象は、謝罪経験のあるビジネスパーソン(企業担当者)200人と謝罪された経験がある一般消費者200人で、年代と性別は20~60代男女。なお、この「謝罪」とは、個人情報漏洩やサービス停止など多数に影響が出た過失によって会見を開くなど、「企業としての謝罪」をするような規模の事案を指す。

41.5%の企業担当者が謝罪後にネット炎上の経験

まず、謝罪経験のある企業担当者に「謝罪後にSNSなどのネット上での炎上を経験したことがあるか」を聞いたところ、41.5%が「ある」と回答。

理由は「謝罪タイミングが遅かった(49.4%)」が最も多く、「謝罪内容が二転三転した(36.1%)」「誠意が伝えられなかった(36.1%)」が続いた。

(出典:株式会社クオカード)
(出典:株式会社クオカード)

謝罪されたのに不満がある消費者は55%

一方で、消費者側の「企業から受けた謝罪で不満が残ったことがあるか」の設問では、「ある」と答えた人は55.0%。不満を感じた理由で最も多かった答えは「誠意が感じられなかった(60.9%)」で、次いで「謝罪タイミングが遅かった(44.5%)」「謝罪内容が不適切であった(24.5%)」となった。

(出典:株式会社クオカード)
(出典:株式会社クオカード)

そして、このような不満を感じた謝罪された当事者のうち、SNSでの拡散や不買など何らかのアクションを起こす人が65.5%いたという。

具体的にどのようなアクションを起こしたかというと、「謝罪を受けた企業の商品購入、または、サービス利用をやめた」が73.6%で多数を占め、「SNSなどのネット上にシェアした」は9.7%にとどまった。

一方、回答者全体を調べたところ、謝罪を受けた当事者ではない第三者の48.7%が、謝罪対応を理由に何らかのアクションを起こしていることが判明。「SNSなどのネット上にシェアした」第三者は、当事者よりも多い17.4%もいたのだ。

(出典:株式会社クオカード)
(出典:株式会社クオカード)

対応策はいつまで?企業と消費者に意外な差

さらに、謝罪に対する意識を企業側と消費者側で比べると、意外なズレも浮かび上がった。

双方に「謝罪事象が起きたときの企業側の適切な初動」を聞いたところ、「詳細の事実確認の前であっても、ひとまず事象に対しての謝罪をする」という行動が、両者(企業担当者:73.3%、消費者:61.0%)と最も支持を集めたのだ。

「対応策の提示を何日以内に行うことが適切か」については、企業担当者の回答で「当日(30.5%)」が最も多かった。これに対し、消費者は「3日以内(27.0%)」が最多となり、次いで「1日以内(21.5%)」、「当日(19.5%)」は3位という結果となった。

結果について同社は、「消費者は“ひとまずの迅速な謝罪は求めながらも、対応策の提示については迅速さは求めず、多少の猶予がある”傾向が明らかになりました」としている。

(出典:株式会社クオカード)
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もちろん、謝罪を受けた側が企業に好印象を持つこともある。今回の調査では15.5%の消費者が「(謝罪対応の印象が良かったことが)ある」と回答していた。

消費者が求める「対応策」は“早さ”よりも“誠意”

ところで、調査の題名にもなっている「SNSを意識した謝罪」とはどのようなものなのだろうか? そもそもなぜクオカードがこのような調査を行ったのか? 担当者に聞いた。


――「SNSを意識した謝罪」とはどんなもの?

「企業による謝罪」をテーマに調査を実施するにあたり、昨今の企業による謝罪の一連の対応、およびその報道や世間の声を観察すると、企業側の過失そのものによる一般消費者(ユーザー)の損害や、影響を受ける規模の大きさの他に、企業の謝罪対応によって、世の中での扱われ方が変わっているように感じました。

特にSNSの台頭による影響は大きく、企業にかかわらず著名人などの不祥事の際にも、SNS上での言論が大きく関係していると思います。

企業担当者の謝罪においても、実際に損害を与えてしまった一般消費者(ユーザー)はもちろん、その先のSNS上での反応までを意識した謝罪対応が求められる世の中になってきていると考えており、そんな現代社会において、一般消費者に求められる謝罪手段として「SNSを意識した謝罪」としております。


――なぜ、今回のような調査を行ったの?

QUOカードPay(スマートフォンで使えるデジタルギフト)は、お客様へのお詫びの品として、企業担当者様にご利用いただくケースもあります。企業側の過失とはいえ、故意的なものではないケースも多く、避けられない危機管理対策の一助になればという思いで、以前より、企業の謝罪に関する実態調査を実施しております。

過去の調査結果から、企業からの謝罪に満足していない人が一定数いることや、企業による謝罪対応において、一般消費者が求めるものとのギャップがある実態が見えてきました。

このような背景から、現代社会において一般消費者が求める謝罪対応はどういったものなのかを明らかにすべく調査を実施しており、今回は、特に謝罪による影響を拡散していると考えるSNSに着目して調査を実施しました。また、今後も様々な謝罪シーンを想定した調査を実施予定です。

SNSを炎上させない謝罪とは?

――対応策をいつまで出すか、企業と消費者で差があったのはなぜ?

今回の調査で、謝罪を受けたことのある一般消費者に対して「印象が良かった企業の謝罪事例」について下記のようなコメントをいただいております。

「謝罪のメールの内容が適切であり、お詫びの品をもらった。(40歳女性)」、「正確な問題の内容とその対策を誠意をもって説明し謝罪された。(62歳男性)」、「自らの非を認め、非常に誠実に具体的に謝罪して下さった。(46歳女性)」など、起こしてしまった企業側の過失に対して、問題を正しく認知し、具体的かつ誠意のある謝罪をしたことによって印象が良かったとの声が複数確認できました。

この結果から一般消費者は、ひとまずの迅速な謝罪は求めつつも、対応策の提示段階においては、とにかく早く対応することより、過失が正しく整理されたうえでの誠意ある対応が求められていると考えております。


――企業が消費者に謝罪するとき炎上させないためにはどうすればいい?

企業による謝罪シーンは様々な事態が想定されますので、個別のケースごとに柔軟に対応することが大切ですが、今回の調査結果を見ると、消費者は「迅速な謝罪」と「3日以内の対応策の提示」を求めているとの声が多く集まりました。

また、謝罪を受けた当事者の約1割、直接関連のない第三者においても約2割の方が不満から「ネット上にシェアした経験がある」との調査結果も出ており、当事者だけでなく第三者の方でも情報を拡散する可能性があることを認識したうえで、当事者に対して即座に謝罪対応をすること、さらに、最終的に企業側の過失を正しく認知し、具体的かつ誠意のある対応をすることが重要と考えております。

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ちなみに、今回調査した全員に「企業の謝罪対応について、SNS上で“第三者による個人の意見”や“第三者の意見をシェアした投稿”を見る機会が増えたと感じるか」聞いたところ、61.3%が「はい」と回答。さらに、このうち83.3%が「ネガティブな意見の投稿を見る機会が増えた」と答えたという。

昨今、企業の危機管理対応はより重要になってきていると感じる。SNSの影響力が高まる中、企業側も「SNSを意識した謝罪」についても考慮しなければならない時代なのかもしれない。