全国で今、ブームとなっているのがサウナだ。人気サウナランキングのほか、「ととのう」「サウナ飯」といった関連ワードの検索も伸びている。

福井県内の温浴施設もその流れに乗り、競うようにユニークなサウナのサービスを展開している。新型コロナウイルスや燃料価格の高騰という逆境の中、顧客獲得をかけた“熱い闘い”の舞台裏を取材した。

体感温度は100度!? ロウリュサービスが話題

「ロウリュサービス開始します!!」
福井市の温泉リゾート施設「ゆ~遊」。店員が鐘を鳴らしながら、大声で浴場内に呼びかける。

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高橋祐太記者:
こちらの施設の特徴が、熱波師によるロウリュサービス。とても熱いということで、体験してみます

「ロウリュ」とはフィンランド発祥のサウナで、熱した石に水をかけて水蒸気を発生させる仕組みだ。熱波師が仰ぐことによって、体感温度は100度近くまで上昇するという。

我慢できなくなったら汗を流し、急いで水風呂へ駆け込む。

そして最後は、露天のベンチでの外気浴。涼しい風を感じることで全身の力が抜け、いわゆる「ととのう」状態になる。

常連客:
サウナが好きで全国各地をサウナメインで旅しているが、ホームサウナはここ。福井のサウナは空気がおいしい。外気浴が自然味にあふれている

ゆ~遊 熱波師・伊東義記さん:
僕たちがやっているロウリュは熱いので、それを求めてくる人が多い。30人近く入ることもあるので、やっててよかったと思う。コロナ禍で客が減った中で、サウナブームは起爆剤になっている

新型コロナウイルスの影響で逆境にあったが、2022年7月に露天のととのいスペースを拡大した。

ととのいスペースの拡大
ととのいスペースの拡大
「サウナ飯」の展開
「サウナ飯」の展開

また、風呂上がりにも顧客満足のための戦略がある。汗で抜けた水分・塩分を補給できると、ホルモンラーメンなどの「サウナ飯」を展開。サウナファンの心をつかむためのアプローチだ。

「サウナブームが一過性にならないように」

県内で8つの温浴施設を展開する「越のゆグループ」。こちらも負けじと、サウナに力を入れる。元々あったサウナ室の整備はもちろん、グッズ販売やサウナ飯の提供など、ソフト面のサービスの充実を図る。「サウナハット」と呼ばれる帽子は、高温で髪の毛が痛むのを防ぐグッズだ。

越のゆグループ 岩下太士専務:
グッズや飲食を導入し、売上は今までと比べると顕著に増えている

なぜ、ここまでサウナに力を入れるのか。
越のゆグループも、コロナ禍で売上は苦しい状況が続く。さらに、ウクライナ情勢による燃料代や電気代の上昇が逆境に拍車をかける。燃料代と電気代が高騰し、費用は約1.5倍になっているという。

そうした中でのサウナブーム。今回獲得した顧客に、引き続き利用してもらえるかが今後のカギとなる。

越のゆグループ 岩下太士専務:
サウナの入り方や設備は昔から変わっていない。サウナや水風呂の温度管理をしっかり取り組み、サウナブームが一過性にならないよう取り組みたい

浴場内外で繰り広げられるサウナの「熱い」闘い。各施設が打ち出す新しい「ととのい」の形に注目が集まる。

(福井テレビ)

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