安倍元首相の国葬の出欠をめぐり対応が分かれた野党の党首らは27日、国葬終了後にそれぞれ受け止めを語った。
国葬に参列した日本維新の会の馬場代表は、「改めて安倍元首相が偉大な政治家であったと実感した」と述べた。
そのうえで「国内外の各界各層の方が参列して国葬が営まれたことはよかった」と語った。
また、前列に座っていた昭恵夫人について、「菅さんの弔辞の際には感極まった表情をされておられたことが印象的だった」と振り返った。
同じく国葬に参列した国民民主党の玉木代表は「官房長官として長く安倍元首相に仕えた菅前首相の挨拶は大変心を打つものだった」と振り返り、「賛否が別れる形で行われることになったことは、残念だ」と述べた。
一方で、岸田政権の国葬決定プロセスについては「法的根拠がないとは思わない」とし、「今後同様の混乱を生じさせないためにも基準手続きの検討が必要だ」と訴えた。
一方、国葬を欠席し、テレビ中継で見たという立憲民主党の泉代表は、「国民の中に相当な違和感や疑問、あるいは反発がある中で国葬が行われた」と指摘。
「本質的な国葬のあり方ということについては、大きな課題・禍根を残した」と述べた。
その上で、党執行部の国葬欠席の判断は間違いではなかったとの認識を示した。
野党の中でいち早く欠席を表明していた共産党の志位委員長は、国葬の時間にあわせて国会正門前で開かれた反対集会に登壇し、「国民の六割以上が反対の声を上げているにもかかわらず、国葬を強行した。何が聞く力か」と岸田政権を揶揄。
さらには、安倍政権について「8年8カ月、国会の場で対決してきた経験を踏まえてはっきり言っておきたい、安倍政権こそが戦後最悪の政権だ」と斬り捨て、「皆さん、戦いはこれからだ」と、デモ参加者に呼びかけた。
同じく国会正門前の反対集会で声をあげた社民党の福島党首は、岸田首相の「敬意と弔意を国で表すのが国葬だ」とした発言に触れ、「国民主権じゃないですか。国民の6割7割が反対している国葬なんてありえない」と訴え、岸田内閣の退陣を強く求めた。