岡山県内でいわゆる「特殊詐欺」の被害が後を絶たない。2022年に入り、被害総額はすでに2億円を超えている。新たな手口も増えていて、警察が注意を呼びかけている。
「ウイルス拡散していて多額の被害が出ている」
岡山県警によると、岡山県内で2022年に入って8月23日までの特殊詐欺被害は、認知件数が104件、被害総額は約2億2,010万円と、件数・金額ともに2021年の同じ時期を上回っている。
1,000万円を超える被害も多発している。

中でも悪質な手口が…
2022年6月下旬ごろ、井原市に住む70代の女性の携帯電話にあるメッセージが届いた。
「確認させていただきたい項目がございます。下記のサポートセンターまでご連絡ください」

女性が連絡をしたところ、未納の代金があることなどが伝えられた。すると後日、日本保護協会などと名乗る男から、次のような電話があったという。
「携帯電話からウイルスが拡散していて多額の被害が出ている」

女性はこのように伝えられたうえで、被害の全額を保証できる保険があると保険料の振り込みを指示された。
被害届が出ていると伝えられた女性は、連日のように50万円ずつ振り込み、家族が気づくまで、総額約1,210万円を振り込んでいた。

最初に届いたメッセージに連絡をしてしまったことが、高額被害への引き金となった。
岡山県警 生活安全企画課 犯罪抑止対策室 山本直希課長補佐:
最初のうちは高額ではないが、一度払ってしまうと「まだ未納料金がある」と繰り返し料金を要求してくる

年齢関係なく、全ての世代が注意を
最近の手口では、固定電話だけでなく、スマートフォンに届く電話やメールについても注意が必要だという。
岡山県警 生活安全企画課 犯罪抑止対策室 山本直希課長補佐:
携帯電話は高齢者だけでなく、むしろ若い世代がたくさん持っている。SMSを通じてだます手口は、年齢関係なく全ての世代に注意してもらう必要がある

県警は、見知らぬ相手に金を要求されたら詐欺を疑い、家族や警察に相談するよう呼びかけている。
(岡山放送)