江戸時代から続く老舗の佃煮店。なんと2年前の売れ残りを使っていた。

売れ残りの塩昆布を調理 新商品として60万袋出荷

創業241年の佃煮店が作った塩昆布。

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全国の百貨店でも人気の商品だが、実は売れ残ったものを再利用していたのだ。

大阪で江戸時代から続く老舗佃煮店「神宗(かんそう)」。

2020年から2022年6月にかけて、最長2年が経った売れ残りの塩昆布などを、他の原材料と混ぜて調理し直していた。そして新しい商品として約60万袋を出荷していたのだ。

再利用した塩昆布は、新型コロナの影響で売れ残ったものだった。

人気店は閑散 愛好家「100%信用していた」

老舗の看板を信じて数十年、店に通い続けてきた"神宗の愛好家”の男性はー

ーー今日は何を買った?

神宗の愛好家:
今日も一緒。塩昆布とちりめん山椒かな。関西風だから甘口だけれども、僕は大好きや。
ここは100%を信用していたからね。ちょっと意外という気持ち。

老舗の人気店だが、今日の店内は閑散としている。店舗では、新聞記事のコピーを配り、客におわびをしているということだ。

神宗の愛好家:
中で説明していた。新聞見せて。珍しい。お客さん誰もいないし、変だなと思った。

また、お土産を買いに来たという人は「お土産として買いに来たので、もうちょっとやめておこうかなということで、買うのを結局やめました。今後、気をつけてほしいなと思います」と話した。

社内規定で、冷凍の場合「最長3年」再利用可能

「神宗」では、商品の再利用について社内規定を定めていた。

原材料が塩昆布のものを再利用するには、常温保存であれば製造後「最長1年まで」としている。

その後、冷凍で保存すれば、期間はさらに2年伸びる。

つまり、冷凍をすれば、最長で3年経ったものでも再利用ができるのだ。

こうした中、大阪市保健所は冷凍保存について「科学的根拠が不十分な製品を使っていた」と行政指導した。

神宗「健康に影響及ぼすものではない」

佃煮の再利用について街の声はー

30代:
2年は、ちょっと長いよね。怖いかなって思いますね。

70代:
佃煮は結構日持ちするものだし、ちゃんと管理して大丈夫だったら…

神宗は商品について「製品検査を行い、安全確認の上で出荷していた。健康に影響を及ぼすものではない」とし、「今後は保存した製品を原材料の一部に使用することは致しません」としている。

(「イット!」9月8日放送)