脱炭素の未来に向かって走る「水素エンジン車」の新たな進化とは。

大型バイクのエンジンを改良

9月4日、栃木県内のサーキットで行われた自動車の耐久レース。ここで華麗な走りを見せたのが、トヨタ自動車が2021年からレースに参戦しながら開発を進める「水素エンジン車」だ。

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水素から電気を作って走る燃料電池車と違い、水素を直接燃やして動力を得る水素エンジン車。
スピードや航続距離、さらに燃料である水素の補給時間を大幅に短縮するなど、めざましい進化を続けているが、実はこのレースに先立ち、ある発表が行われた。

大きなタイヤと丸みを帯びた車体が特徴的な車。カワサキモータースが研究開発中の二輪車用の水素エンジンが搭載されている。

トヨタやスズキ、ヤマハ、ホンダなどの技術協力を得て開発が進められている二輪車用の水素エンジン。

今回お披露目された車のエンジンは、カワサキの大型バイクのエンジンをベースに水素燃料仕様に改良。開発時に必要な性能試験に対応するため、オフロードの四輪車に搭載した。

川崎重工業・橋本康彦社長:
(去年、豊田社長から)二輪、四輪の枠を超えて、ぜひ、共に水素エンジンの開発に取り組んだらどうかと。

そのあと行われたデモ走行では、サプライズでトヨタ自動車の豊田章男社長が試乗。高らかなエンジン音をあげて、サーキットを駆け抜けた。

トヨタ自動車・豊田章男社長:
“カーボンニュートラルに対していろんな選択肢を"ということで、ぜひ、ご注目いただきたい。

世界的な電気自動車へのシフトが進む中、日本のメーカーが得意とするエンジンの技術を応用し、カーボンニュートラル社会の実現を目指す取り組み。

水素を作る、運ぶ、使うー
そんな意志ある情熱を持った仲間の輪がさらに広がりを見せている。

(「Live News α」9月5日放送分)