子どもたちにとって、夏休みは学校以外の体験を通して成長する機会。岩手県では県外の小学生を対象にした、新たな体験学習ツアーが行われている。コロナ禍のニーズを取り入れた「親子地方留学」と呼ばれる取り組みを取材した。

子どもは生産者と交流 親はテレワーク

8月3日、花巻市の畑で行われたブルーベリーの収穫体験。体験したのは東京や京都の小学生だ。今回、親子地方留学というツアーに参加した。

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生産者:
紫色のはまだおいしくない。黒いのをとってください

子どもたち:
こういうの?

ブルーベリーの収穫体験をする東京や京都の小学生たち
ブルーベリーの収穫体験をする東京や京都の小学生たち

このツアーは都会の子どもたちが夏休みの1週間、岩手の豊かな自然の中に身を置き、生産者と交流しながら農業や漁業の理解を深めるもの。「親子地方留学」と名前が付けられているが、親の姿はそこにはない。

東京から参加 藤田凛生くん:
お母さんはコテージで仕事してる

子どもたちが岩手の自然を満喫している間、親は遠野市内のコテージでインターネットを使い、テレワークをしている。

東京から参加 藤田麻衣子さん:
(子どもが)ママと離れて夜過ごすのが嫌だと言うので、このプログラムは朝晩に親と過ごせて、昼間は子どもが体験ができたり、親は仕事に集中できるのでぴったりだなと

ツアーを企画した花巻市の「雨風太陽」社長、高橋博之さん。元岩手県議で、交流人口を増やそうと地方の農水産物を販売するサイトなどを運営している。

雨風太陽 高橋博之社長:
自分たちの食べ物がどこで育まれて、どういう人たちが作っているのかをちゃんと見てもらう。そこが第二のふるさとになって、定期的に通っていくようなところになっていけばいいなと

コロナ禍で全国的に進む「ワーケーション」を教育プログラムに取り入れ、より多くの交流人口を生み出そうとツアーを企画した。

雨風太陽 高橋博之社長:
今後、新型コロナが収束していって、どう人流を回復していくかは1つの社会課題なので、今がいいタイミングだと思った

8月7日まで行われたツアーには、あわせて8組の親子が参加。宿泊している遠野市のほか、花巻市や釜石市、大槌町で漁業体験やプロのハンターによる鹿の狩猟の見学などが行われた。

都会ではできない経験を楽しむ「想像以上だった」

ツアー4日目の午前、子どもたちは花巻市内で枝豆の収穫をする予定だったが、あいにくの雨。それでも小屋の中で枝豆を摘み取ったり、野菜の収穫なども体験し、慣れない農作業に子どもたちは夢中になって取り組んだ。

枝豆を摘み取る子供たち 慣れない農作業に励む
枝豆を摘み取る子供たち 慣れない農作業に励む

夕方、コテージへと帰ってきた子どもたち。親は、学校では得ることのできない経験を通して毎日成長する我が子を間近で見ることができる。

東京から参加 藤田麻衣子さん:
普段は東京で庭もないようなところで暮らしているので、初日から友達ができて夜に花火をしたり、すごく楽しそう。子どもたちにとってもいいと思う

東京から参加 藤田聡さん:
都会では得られない価値観や学びが、地方には多く詰まっている。子どもたちが肌で感じることができて、育ってもらうところがよかった

岩手の自然の中で過ごすひと夏。子どもたちにとって新たなふるさとが生まれる体験になっている。

東京から参加 藤田凛生くん:
田んぼとか畑とかいっぱいあって。特にトンボとか虫がいっぱいいて、想像をはるかに超えた自然だった

雨風太陽 高橋博之社長:
来年の夏も里帰りするかのように「また岩手に来たい」となってもらえればいいと思う。ワーケーションプラス、子どもが自然体験をして、ここが第二のふるさとになっていく…というのがポイント

コロナ禍で生まれた新たな取り組みが、都会と地方を結ぶ架け橋になっている。

(岩手めんこいテレビ)