降り続く雨の影響で、冠水や土砂崩れなどの被害が出ている北日本。未明に発生した台風8号の影響は、どこまであるのでしょうか。11日、気象庁は…

気象庁の会見:
東北・日本海側を中心に、向こう1週間程度、警報級の大雨の可能性があります

実はこの先 北日本に、台風とは別の“災害の危険”が迫っているというのです。

「電話が通じない…」2日で平年1ヶ月の約2倍の雨 青森・深浦町

青森・深浦町の様子(9~11日の総雨量372.5mm)
青森・深浦町の様子(9~11日の総雨量372.5mm)
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めざまし8が取材したのは、青森県深浦町。この町には、8月9日から10日にかけ、平年8月の1カ月分の約2倍となる雨が降り注ぎました。

冠水した道路を走る車
冠水した道路を走る車

さらに11日午後1時過ぎには、山から水が流れ込み続け、排水溝は土砂で詰まり、道路は冠水。車が水しぶきを上げながら走っていました。この道路沿いに店を構えている女性は…

9日には店内にも、泥が混ざった水が…
9日には店内にも、泥が混ざった水が…

冠水した道路沿いに店を構える 畠綾子さん:
ここ(30センチくらいの高さ)まで水がきた

最も雨の激しかった9日は、店の中にも、泥が混ざった水が流れ込んできたといいます。

道路沿いに店を構える 畠綾子さん:
Q.目の前にまだ水がきているが
あれが濁流になってきているから。もっと下の方からも出てきているし、何カ所もあるせきを越えて濁流になって出てきた。9日から(洋服を)着たまま寝ています。いつでも飛び出られるように

現在も片付けの作業を続けながら、ここで生活を続けている女性。

道路沿いに店を構える 畠綾子さん:
Q.11日現在、ガスや電気は?
電話が通じません。ガスも水道もつきますけど、電話だけ。電柱が倒れたんだって

深浦町では8月8日から11日までの総雨量が、379.5ミリに達しました。

世界遺産でも土砂崩れ…いたるところに被害の爪痕

世界自然遺産「白神山地」の入口付近では…

「世界自然遺産・白神山地」白神岳の登山口付近でも土砂崩れ
「世界自然遺産・白神山地」白神岳の登山口付近でも土砂崩れ

田中良幸キャスター:
崩れた山の上から大量の水が流れてきていますね。「世界自然遺産 白神山地」ここは白神岳の登山口になります。このすぐ奥で土砂崩れが発生しています。
崩れた奥の方は見えないくらい、かなりの規模の土砂崩れとなっています。
電線も切れていますね。脇にある電柱の電線が、土砂崩れの奥の方まで引っ張られている形となっています。
右の山も崩れて、かつ道路自体もなくなってしまっていますね

約20メートルにわたって山が崩れていることがわかりました。

8日から降り続いた雨で、現在も「土砂災害警戒情報」が出ている深浦町。いたることに被害の爪跡が残っていました。

田中良幸キャスター:
田んぼの奥の山、一角がもう崩れていますね。
ビニールハウスに当たる雨の音が響くくらい、強い雨へと変わっています。一気に変わってきました。視界が白くなるほど、激しい雨へと変わってきています

断続的に、強い雨が降り注ぎます。そんな中、住民たちは、片付けに追われていました。

「こんな水害はなかった」傾いた電柱、線路に横たわる建物

斜めに崩れている住宅。電柱が傾いているのもわかる
斜めに崩れている住宅。電柱が傾いているのもわかる

田中良幸キャスター:
向かい側の住宅ですが、斜めに崩れるような形で、脇の電柱も斜めに傾いていますね

さらに進むと…

線路の上には、住宅が横向けに倒れていた
線路の上には、住宅が横向けに倒れていた

田中良幸キャスター:
奥を見ると、建物が真横になっていますね。線路を塞ぐような形で建物が崩れ落ちています

水害前の様子を見てみると、線路脇に2階建ての建物が建っていたことがわかります。近所の人によると、9日に起きた土砂崩れによって辺り一帯の建物が流され、五能線の線路上に、この建物が立ち塞がるように崩れたというのです。

帰宅して3分もたたず…間一髪で助かった妻

近くには、濡れたような家財道具が一式外に出されていました。近所で片付けをしていた男性は…

片付けをしていた男性:
Q.1階部分は?
全滅、全滅。倉庫も、洗ったもの置いてある。出した物

9日、土砂崩れがあった直前に家に帰宅したという妻は…

土砂崩れ直前に帰宅した妻:
(到着して)3分もしないですね。着いて、ちょっと右の方行って。車で逃げようとしたんですけど、水が来て無理なので、2階に逃げたんですけど。生まれてきてこんな水害とかはなかったので本当に怖かったです

土砂崩れが起きる直前、家の2階に避難し、助かったといいます。

片付けをしていた男性:
かみさんが元気だからいいじゃん。車はだめになったけど。かみさんが生きているからいいじゃん。車は死んだけど

復旧作業もままならない状況が続く深浦町。しかし、再び雨が…。
13日にも東海や関東に接近、上陸する恐れがある台風8号の影響はあるのでしょうか。

実は北日本には、台風8号とは別の“災害の危険”が迫っているといいます。

“雨雲のもと”がたくさん… 北日本で油断できない状況続く

天達気象予報士は…

北日本でで“雨雲のもと”が多く重なってしまうという
北日本でで“雨雲のもと”が多く重なってしまうという

天達武史 気象防災キャスター:
南側の太平洋高気圧と北側の寒気、これが強い力でぶつかっているので、サンドイッチ状態になってしまっているのです。
さらに、非常に湿った空気が南から流れ込んでいる影響で、“雨雲のもと”が大量に流れ込んでいます。
そして日本海の海面水温が2022年はかなり例年より高いです。
つまり“雨雲のもと”がたくさんあるので、東北の北部で雨雲が発生しやすい、発達しやすい、そういう状況が続いています。14日(日)は前線が南下しますので、雨が弱まるんですけれども、またその翌週に停滞する可能性があるので、油断できない状況が続くかもしれません

非常に激しい雨が降り続く恐れがある北日本。厳重な注意が必要です。

(めざまし8 8月12日放送)