都市部でも水害リスクが高まる中、防災アイテムへのニーズが高まっている昨今。車を丸ごと包み込むことで、浸水被害から守るシートも登場し注目を集めている。

「水のう」「止水シート」水害に特化した防災グッズ

東京・江戸川区のホームセンターを訪れると、防災コーナーには水害に特化したエリアが設置されていた。

防災コーナーには、水害対策などのさまざまな商品が並ぶ。長靴や非常食も取り揃えられているなか、陳列棚の上には「江戸川区は浸水しやすいエリアです」と注意が促されている。

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荒川などの大きな川が流れる江戸川区は、約7割の陸域が満潮時の水面より低い“ゼロメートル地帯”だ。

店を訪れていた江戸川区の住人に話を聞くと、「やっぱりかなり不安。荒川が隣に控えている」(60代)「ちょっとした雨とかで(川が)氾濫する可能性があるので、それに対しての“備え”っていうのは必要だと思う」(30代)といった声があがった。

都市部で浸水被害を防ぐため、どんなグッズが注目されているのか。

島忠・組織開発室 仲村真里さん:
これが「水のう」でして、いわゆる「土のう」の代わりになります。こちらを“重り”として浸水などを防ぐ

水で水を防ぐことができる「水のう」は、水を抜けばかさばらないため、収納も簡単だ。

さらに、流れてきた水の水圧を利用することで、壁にピタっとくっつき浸水を防ぐ止水シートもある。

このホームセンターでは、防災アイテムの売り上げが前年の約2倍になったという。さらに災害時に地域の人が車を避難させられるよう、屋上の駐車場約100台分を開放するという。

車を“包んで”浸水対策

一方で、車の浸水被害を防ぐ対策グッズも注目を集めている。

蔵田工業 ソリューション事業部・山口肇部長:
袋の中に車を入れて浸水から守ろうという製品です

シートで車を丸ごと包んで浸水を防ぐという発想だ。

番組スタッフが実際に車を包んでみた。

スタッフ:
けっこう重いんですね

蔵田工業 ソリューション事業部・山口肇部長:
10キロくらいあって風も(シートの中に)入っているので。ゆっくりでいいです

数人がかりでシートを広げた後に車をシートの開口部に向かって発進させる。

大きな袋の中に車を丸ごと入れてしまい、最後に四隅をヒモで縛れば完成だ。

シートに包んだ車をマフラーまで浸かる深さ50センチの水に漬けた実験では、約4時間水につけたが、浸水はなかった。

蔵田工業 ソリューション事業部・山口肇部長:
(浸水を防いだ車は)シートを開けてエンジンをかければ、その場から車を動かせるので“生活の再開”がすぐできます。“災害復旧の迅速化”というところでも、非常に役に立つ製品ではないかと考えております

このシートは、ハリケーンなどで被害を受けた車を見たアメリカの会社の社長が開発した。折り畳みもできて、何度も繰り返し使えるという。

水害が増える中、こうした防災グッズへのニーズは今後も高まりそうだ。

(「イット!」8月4日放送)