「発熱外来に来る方へ 車内で待機してもらってますが、車内が暑くなってイライラされている方が増えて来ています。エアコンを付けて快適に待って下さい。医師、看護師、病院職員は発熱者なみに汗をかいて走ってます。電話などイライラせずに、優しく話して下さい、皆んな心はあります。」

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これは、福岡県にある姫野病院の公式ツイッターに投稿された文章です。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1日に発熱外来に訪れる人は約100~150人。

専用駐車場の車内で最大2時間待つこともあることから、「うちの子を早くしてください」「悪化したら責任をとってくれるんでしょうか?」と患者の家族らから寄せられる言葉を受けて、投稿したと言います。

3年目に突入したコロナ禍で、第7波により、肉体的にも精神的にも限界を迎えつつある医療現場。

めざまし8は、苦悩する医療従事者の方々を取材しました。

これまでとは違う「第7波」職員にも多数の感染者が… 

8月1日、めざまし8が話を聞いたのは、沖縄県那覇市の病院で新型コロナ対策を担当する、看護師の伊藤まゆみさん。

伊藤さんが勤務する病院では、コロナ病床28床は常にほぼ満床だといいます。

大浜第一病院 看護師・伊藤まゆみさん:
本当に精神的に限界を感じています。終わりが見えないどころか、大きい波、押し寄せる波が、だんだんだんだん大きくなってきていて、力尽きつつあるという状況です

今回の第7波は、これまでの感染拡大の状況と違う部分があると伊藤さんは言います。

大浜第一病院 看護師・伊藤まゆみさん:
第7波は過去の流行とは違って、職員が多数感染してしまったんですね。職員の陽性だったりとか、濃厚接触に伴う就業停止だったりとか、お子さんの陽性に伴うお休みだったりだとか。現場が回らなくなっている、というのが大きな特徴。お休みしてる職員も、いつ呼び出しが来るがわからない。本当の意味で休めない

伊藤さんは院内感染を防ぐため、食事の際の個食、時間差休憩、2人以上の歯磨き禁止などに加えて、同居家族を含めて大きなイベントの参加や会食を控えることなど、この3年間、職員に厳しい行動制限の実施を呼び掛け続けています。

大浜第一病院 看護師・伊藤まゆみさん:
美容室に行って髪を切りたいとか、ちょっとしたことなんですが。そういった日常のことが戻れたらいいなと思っています。髪の毛を染めるとか、マッサージとか

患者の命を守るため…自らの“日常”を犠牲にし続けてきた伊藤さん。

もちろんそれは、彼女だけが特別なわけではありません。

厳しい対策の日々…ストレスを感じることも

別の病院で看護師として働く女性は、コロナ禍の3年、ほぼ毎日が自炊。病院から感染防止のため、外食を控えるよう求められているからです。

看護師:
病院からのそういった規制がかかって、必要最低限の外出。外食を控えてくださいって。友達同士からの誘いとかもなくなりましたし、自分も誘わなくなりましたね。自分が感染してしまったらっていう。正直、ストレスがありますね

感染症が専門の、「グローバルヘルスケアクリニック」水野泰孝院長も、次のように話します。

グローバルヘルスケアクリニック・水野泰孝 院長:
今までと違うのは、すぐ予約が埋まっちゃうので、これまではあんまりそういうことなかったんですけれども、断らなきゃいけない人がやっぱり結構多い

自宅に帰っても、厳しい感染対策は続くと言います。

グローバルヘルスケアクリニック・水野泰孝 院長:
子供と話す時もありますけれども、できるだけ距離は取って話すようにはしてます。

飛沫感染対策2~3m離れるっていうのは、それは自分の中にもうディスタンスは身にしみちゃってるので

防護服に身を包んでもコロナに感染…救われた一言

普段から感染対策に気をつけているという、医療従事者の方たち。中には、苦しい状況に追い込まれている人もいました。

めざまし8が話を聞いたのは7月末、コロナに感染したという看護師の女性です。

コロナ病棟に勤務しているため、酷暑の中でも、常に防護服に身を包み、感染対策には特に気をつけていたと言いますが、いつの間にか感染し、一時39℃まで熱が出たといいます。

7月末に感染した看護師の女性:
難しいですよね。自分はどこでなったかもわからないし

しかし、それでも患者からの「感謝の言葉」に救われたといいます。

7月末に感染した看護師の女性:
実際に入院していた患者さんから感謝の言葉を聞くとうれしいなとは思いますね。「本当にありがとうございました」と言って笑顔で帰っていくの見たときは、うれしかったですね

(めざまし8 8月2日放送より)