私がお伝えしたいのは「少年少女はヘディング禁止」です。
イングランドサッカー協会はヘディングが脳に与えるリスクを考慮し、12歳以下の試合で意図的なヘディングを禁止するルールを試験的に導入すると発表しました。
効果が得られれば、ルールを定める国際サッカー評議会に対して規則の改正を求めるとしています。
ポイントはこちら「サッカー発祥の地がルール改正を提案、世界に広がるか?」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
今回の試験導入の背景にあるのは、ヘディングによる脳へのダメージの研究です。
イギリス・グラスゴー大学が2019年に発表した研究では、元プロサッカー選手は、一般の人より認知症および関連障害のリスクがおよそ3.5倍も高いという結果が出ました。
イングランドサッカー協会は、プロの選手にもヘディングに関する規制を設けています。
2021年7月に、プレミアリーグ、イングランド代表を含むトップレベルのチームから、アマチュアのチームまでを対象に、35m以上のロングパス、クロス、コーナーキック、フリーキックに対するヘディングの練習回数を週に10回までに制限するガイダンスを発表しています。
実際子どもたちはどう思うのか、試合でヘディングができなくなることについて、ロンドン市内のサッカーチームに所属する子どもたちに聞いてみたところ、「ヘディングはとっても重要!」「ヘディングでチームメイトにパスしたり、シュートをしたり、ヘディングがなくなったら試合の面白さが減っちゃうよ」など惜しむ声が多く聞かれました。
中には、イングランド代表のエースストライカーの名前を挙げて「ハリー・ケインはいつもヘディングでゴールを決めているよ!」と話した子もいて、ヘディングに対する憧れが根強くあることを伺わせました。
サッカーの醍醐味の一つであるヘディングを、どうやって安全に配慮しながらその技術を身につけるのか、模索が続けられています。
(FNNロンドン支局・一文字哲也)