あなたは本当に“真っ黒”な車を見たことがあるだろうか?

普通の黒い車はボディの凹凸がはっきり見えるものだが岐阜県にあるカスタムカーショップの「ピットワン」が作り上げた“世界一黒い車”は、立体には見えないぐらい真っ黒なのだ。

(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)
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真っ黒い車といえば、2019年のフランクフルトモーターショーで披露されたBMWを思い出す人もいるかもしれない。BMW X6という車に、Surrey NanoSystems社が開発したVANTA BLACK VBx2をコーティングして、反射率は1%だったそうだ。

今回、ピットワンは運営会社が所有するポルシェ911ターボを、光陽オリエントジャパン(埼玉・上尾市)が開発した「真・黒色無双」という水性アクリル塗料でコーティングし、反射率は0.6%とのことだ。

安全のため警察と陸運局に確認し街を走行

なお、このポルシェのカラーはもともと黒色なのだが、普通の車と同じように車体に反射する光がはっきり見えていた。

塗装前(出典:ピットワン)
塗装前(出典:ピットワン)

それをヘッドライトやウィンドウなどをマスキングした上から計7回塗装を行うと、反射はほとんどなくなり、平面にも見える真っ黒な車体に変身。マスキングを取ると普通の黒とは違う、本当に真っ黒な車になっていた。

(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)

ピットワンでは特殊な塗料を使ったことから、安全のため事前に警察と陸運局に確認した上で、名古屋の繁華街を走行した。その模様は動画でも紹介している。
 

他に類を見ない黒さを見て、自分の車にも塗りたいと思った人もいるだろう。しかし、「真・黒色無双」は塗膜の強度が非常に低く、軽い接触でも剥がれてしまうため、車の塗装には向いていないという。

そこで、今回塗装したポルシェは7月末まで保管して最後に塗装を落とす予定だとしている。

“世界一黒い車”を作ることになったきっかけ

ところで近年は誰でも写真の加工が簡単にできるようになってきたが、これらの写真は全く修正などをしていないのだろうか? またこの塗装は摩擦に弱いと言うが洗車はできるのだろうか?

同社の担当で動画にも出演している岩田真司さんに聞いてみた。


――まず、ポルシェの写真は加工を全くしていないの?

全く加工はしていません。


――“世界一黒い車”を作ることになったきっかけは?

テレビ番組で光陽オリエントジャパン様と共演することがあり、お互いの技術を使い世界で一番黒い車を作ろうとお約束しました。

(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)

――ポルシェの塗装に使った「真・黒色無双」の量や価格を教えて。

4.5リットル、7万円ほどです。


――警察と陸運局への連絡は、どんなことを確認した?

光陽オリエントジャパン様に確認していただきましたが、黒い車は法律上問題ないとの事でした。

(出典:ピットワン)
(出典:ピットワン)

――街を走ったときの反応は?

沢山の視線をあびました。話しかけてくる方、追いかけてくる方、2度見3度見する人もいました。

水性アクリル塗料で触ると手に“黒い粉”

――この塗装は摩擦に弱いというが、手で触るとどうなる?洗車はできるの?

手に黒い粉が付きます。洗車は出来ません。雨に濡れると黒さが半減してしまいます。


――“世界一黒い車”の次はなにを作りたい?

次は、世界で一番黒い自転車を塗って暗闇で走らせたいと思っています。

塗装したポルシェのエンブレム部分(出典:ピットワン)
塗装したポルシェのエンブレム部分(出典:ピットワン)

なお光陽オリエントジャパンは「真・黒色無双」の用途を「光学製品、模型製作、アートなど」としており、日本やアジアでは主にガンプラを始めとする模型分野で注目を集めたという。確かにポルシェのエンブレムを撮った写真は、他の部分が真っ黒なため、まるでエンブレムだけが宙に浮いているようだ。
ネット上では危険性を指摘する声もあったが、今回は実用化ではなくプロモーションとしてこの塗料を使ったとのことだった。

またピットワンでは、次は自転車を塗装したいとのことなので、こちらはどんな風になるのだろうか。