天皇皇后両陛下は7月8日、お住まいの御所から、青森県むつ市の「認定こども園」をオンラインで視察し、子供たちと交流されました。
このご視察は「こどもの日」にちなんで行われたものです。
例年、東京近郊の施設を訪問していますが、2021年に続き新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの視察となったため、その利点を生かし、遠隔地の施設をご覧になりました。
今回、視察された「よしのこども園」は幼稚園・保育園の運営だけでなく、子供の居場所作りに積極的に取り組み、「子ども食堂」や小中学生への学習支援などを行っています。


上皇ご夫妻から引き継がれた児童施設ご訪問
「こどもの日」にちなんだ児童施設への訪問は、平成4年(1992年)に上皇ご夫妻が始められました。平成27年(2015年)からは若い世代に引き継がれ、両陛下も児童施設に足を運ばれています。


令和元年(2019年)6月、即位後初めての訪問では、東京・港区の保育園で買い物ごっこに参加して、子供たちとの触れ合いを楽しまれました。
子供たち:「いらっしゃいませ」
陛下:「何がおすすめですか?」
子供たち:「とうもろこしです」

平成27年(2015年)2月、陛下は児童施設への訪問を始めるにあたり、次のように述べられています。
〈天皇陛下 55歳の誕生日会見〉
「いじめや子供の虐待など心の痛む問題もあり、青少年や子供たちを取り巻く環境が少しでも良くなるように社会全体で取り組むことが大切です」
また皇后さまも、ご結婚以来、「難しい境遇に置かれている子供たちには心を寄せていきたい」とたびたび述べるなど、子供をめぐる問題に関心を寄せ続けられています。これまで、小児病棟や児童養護施設を私的に訪問されたこともありました。


令和2年(2020年)4月。陛下は即位にあたり、子供の貧困対策に取り組む基金に私的な「お手元金」から寄付をされています。
「子ども食堂」の現場を初めてご覧になる両陛下
今回の視察で、「子ども食堂」や学習支援で施設を利用する4人の小学生と交流された両陛下。皇后さまの「どんなことを一番楽しみにしていますか?」との質問に「給食」との答えを聞いて、陛下は「みんなで一緒に食べるのも楽しいでしょうね」と声を掛けられました。
また陛下は「外で遊ぶのは何が好きですか?」「好きな科目は?」などとご質問。皇后さまは「いろんなことに挑戦して楽しく生活してください」と言葉を送られました。

施設を利用している大谷良晟くん(小学5年):
「緊張していたんですけど、(両陛下と)話していくうちに、優しくてどんどん聞いてきてくれて、僕もどんどんハキハキとしゃべれて、最初の緊張よりも、もっと楽しい時間になってきました」

また、施設で小中学生に勉強を教えるボランティアの高校生や大学生ともご懇談。陛下は「どういうことでボランティアをやろうと思ったのですか?」などと質問を重ねられ、皇后さまは「新しい発見があったことは何かありますか?」と尋ねられました。


最後に「暑い日が続きますが、体に気をつけて」と声をかけられた両陛下。子供たちへの支援の輪がさらに広がることを願っていらっしゃいました。
(「皇室ご一家」7月17日放送より)