7月10日に投開票された参議院選挙。この選挙戦で候補者が力を入れた「ネット戦略」について見ていく。
知名度不足も解消? 与野党ともにSNSなど注力
事実上の与野党一騎打ちとなった新潟選挙区。自民党の小林一大さん、立憲民主党の森裕子さんともにYouTubeやSNSでの発信に力を入れていた。

こうした中で特にバズっていたのは、小林さんがTwitterに投稿した、選挙戦最終日に岸田首相が来県したときの様子。この投稿には600件以上の「いいね」がついている。
さらに、岸田首相がこれを引用して投稿したものは4000件近くの「いいね」と、反響を呼んでいた。

当初は“知名度不足”が課題とされていた小林さん。ネットを通じた発信が当選への大きな力となった。
初当選果たした小林氏「ネットの旗振り役として負けられない」
選挙戦の約3カ月前、小林さんが来県した自民党の高市早苗政調会長とともに撮影していたのは、「ひろがれ!カズヒロ!」コールの動画。
自民党 高市早苗 政調会長:
小林一大さん、頑張ってや~
高市氏・小林氏:
ひろがれ!カズヒロ!

小林陣営は早い段階からこのキャッチコピーを前面に掲げ、SNSに次々とアップ。

さらに2021年からYouTubeのチャンネルを開設し、選挙前から自身の実績や人柄を知ってもらう動画を積極的に投稿していた。

ネットを駆使して選挙に臨んだ小林さんだが、実はここまで力を入れるのには理由があった。

自民党 小林一大氏:
新潟県連の中ではネットに関して、色んな意味で皆さんに有効活用していただく“旗振り役”をしてきた

小林さんはこれまで、自民党新潟県連でネットメディア戦略の対策チームの座長を担当。「その座長がネット戦略で負けるわけにはいかない!」と、今回の選挙でも発信力を高めていた。

無党派層・若者の支持拡大につながったネット発信
出口調査の結果を見ていくと、自民党の候補が無党派層の取り込みに苦戦した前回の選挙よりも支持を広げ、小林さんは無党派層の約3割と、20代~30代の若者から5割~6割の支持を得ている。

自民党県連の小野峯生 前幹事長は「今回、ネットでの発信に力を入れたことで無党派層や若い世代にも支持を浸透させることができたのではないか」と、活動を評価していた。

今後の選挙においても、こうしたネット戦略が勝敗を左右することになりそうだ。
(NST新潟総合テレビ)