イベントや公園など、様々な場所に出店するキッチンカー。コロナ禍で、密を避けて飲食店の弁当や総菜が購入できると注目が集まっている。そんな“キッチンカーグルメ”は、お手頃価格なのに「萌え断」や「ふわとろ」などのこだわり満載だと、いま人気を集めている。
これぞ「萌え断」…“幻のフルーツ”とこだわりのクリーム・パンに舌鼓
2021年8月にオープンし、まもなく1年。リピーターが続出しているというキッチンカーに、テレビ静岡の北村花絵アナウンサーが向かった。
さわやかな水色が目を引くキッチンカーが見えてきた。
北村花絵アナウンサー：
かわいらしい色のキッチンカーがありますね。フルーツサンドを売っているんですね。美しいです
静岡市を中心に、藤枝や浜松など静岡県内に出店している、フルーツサンドと紅茶の専門店「Sundy」だ。並べられたフルーツサンドは、花のような断面。まさに「萌え断」だ。
1つ1つ手作りで、絵画のような見た目のフルーツサンドはどれもボリューム満点。中には幻のフルーツを使っているものもある。
Sundy・有賀龍也 代表：
ハニーグロウは国内でもあまり出回っていない珍しいパインです。一般的なパインは糖度15度ですが、これは平均でも20度以上あります。青果店の社長と知り合いになり、定期的に入れてもらえるようになりました
静岡ではほとんどお目にかかる機会がないという、ハニーグロウパイン。大胆にもフルーツサンドにして、ボリュームも満点だ。
北村アナウンサーが食べてみると…
北村花絵アナウンサー：
かんだ瞬間にパインの果汁があふれ出て、口の中がパインジュースを飲んでいるかのようですね。ほとんど酸味がなく甘いです。繊維もあまりなく口触りも滑らかです。クリームもただのホイップクリームではないですよね？
Sundy・有賀龍也 代表：
練乳を混ぜていますが、フルーツの味が際立つように甘さはかなり控えめにしています
あくまでフルーツが主役というSundayのフルーツサンド。自家製クリームのほかにも、ふんわり食感のパンには塩こうじを使用し、製造から二日間ねかせて使用するという。
“こだわりだらけ”のキッチンカー 代表は保険会社出身
こだわりはもちろん、紅茶にも…。
静岡産の丸子紅茶を使い、20～30分ほどかけてゆっくりと煮だして、一晩おく。こうすることで、さらに芳醇な香りが引き出されるという。
どこをとってもこだわりだらけのキッチンカーだが、有賀代表には飲食業の経験がないというから驚きだ。
Sundy・有賀龍也 代表：
外資系の保険会社に勤めていました。私の妻がフルーツサンドを作る仕事をしていたことがきっかけです。キッチンカーは、食べたいと思っている人のところに売りに行くことができるのが、一番の魅力です
「とにかくふわとろ」こだわりのたっぷりソースのオムライス
続いて、有賀代表が「とにかくふわとろ」な商品を販売していると勧めてくれたキッチンカー「ハチナナキッチン」を訪れた。
花田翔さんと母・久子さんの2人で切り盛りし、静岡県静岡市の団地の集会所や、ホテルを中心に出店している。
卵が隠れるほどたっぷりとかかったトマトソースやデミグラスソース、そしてホワイトソースももちろん手作りだ。同業も絶賛するふわとろオムライスは1つ650円と破格の値段。
ふわとろの決め手は火加減
まずは一番人気のデミグラスソースを試食した。
北村花絵アナウンサー：
ふわとろでおいしいです。ふわとろの食感が重要ですよね
ハチナナキッチン・花田さん：
かなり練習しました。卵1000個は使ったと思います。一番大事なのは火加減だと思っていて、強すぎると早く固まるし弱すぎるとドロドロとした感じになってしまいます。ちょうどいいところを見極めるのが難しいですね
デミグラスソースには赤ワインを入れてコクを出しつつも、子供でも食べやすいよう苦みを抑えた味にしているという。
また、「ホワイトソース」にはコンソメやベーコンが入っていて、コクと塩味をもったものに仕上っている。花田さんが個人的に一番好きだという逸品だ。
オムライスはもちろん、日替わり弁当やカレー、特製のから揚げなど豊富なメニューをそろえているこのキッチンカー。花田さんも全く別の業種からこの世界に飛び込んだ。
ハチナナキッチン・花田さん：
いろんなところへ行くので、いろんな人との出会いがあり楽しそうだなと思っていました。以前は美容師をやっていました。ハサミからフライパンに道具を変えました
キッチンカーには、出店者それぞれの思いがたくさんつまっていた。
（テレビ静岡）
