自民党が大勝した、2022年の参院選。投開票が行われた7月10日、候補者とは別に注目を集めたのは、2014年以降、開票作業でミスを連発している仙台市だ。
これまでの経緯と、汚名返上を目指して臨んだ今回の開票作業はどうだったのか、裏側を取材した。

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「仙台市」「選挙」と聞くと、仙台市選挙管理員会の開票作業のトラブルやミスを思い起こす人もいるかもしれない。特に最も大きな問題となったのが、2014年衆院選での「票の水増し」だ。仙台市青葉区の開票所で、集計ミスによって発生した票数のずれを、白票で埋めてしまうという前代未聞の問題が起きた。

さらに、国政選挙だけを見ても、2016年は集計ミスで約4時間の遅れ。2017年の衆院選と知事選の同日選挙では、知事選の開票で集計ミスがあり、結果として、開票の終了は衆院選の予定時刻から最大10時間ほど遅れた。

続いて2019年の参院選では、票の取り違えなどがあり約5時間遅れ。2021年の衆院選でも、集計ミスによって最大7時間の遅れ…。対策を行っているはずが、仙台市の開票作業では多くのトラブルとミスが相次いでいるのだ。

では、今回2022年の参院選ではどうだったのか。結論から言うと開票トラブルは…、あった。どんなトラブルがあったのか。どんな対策をしてきたのか。最終的に対策の成果はあったのか。

開票ミスとの戦い

7月10日午後9時半すぎ。宮城選挙区の「戦い」は、自民党の桜井候補の当選が確実となり、すでに決着は見えつつあった一方で、仙台市選管の「開票ミスとの戦い」が始まった。

堤勇高 アナウンサー:
作業員の方が持ち場について、先ほど投票箱の鍵が外されたところです。これまでの大型選挙で開票でのミスが相次いでいた仙台市選挙管理委員会。今回の参院選で汚名返上となるのでしょうか

2014年の衆院選。仙台市選管では、投票者数と投票総数の食い違いを埋めるために、職員が白票を水増しする問題が発覚。

当時の奥山仙台市長が「市民の皆さま、ならびに議員各位に対し深くお詫び申し上げます」と謝罪するに至った。

仙台市選管ではこれ以降、大型選挙のたびに開票作業でトラブルが続いている。

2021年10月の衆院選では集計作業のミスなどで、開票が終了したのは全国の政令指定都市の中で最も遅い、翌日午前11時すぎ。

今回こそミスなく…。2022年の参院選を「挽回のチャンス」と位置づけ、さまざまな対策を講じて臨んだ。

参院選では研修回数を増やし、作業人数を約100人増やす

青いランプが点いた機械。投票用紙に書かれた候補者の名前を自動識別する
青いランプが点いた機械。投票用紙に書かれた候補者の名前を自動識別する

投票所の様子を見てみると、投票用紙に書かれた候補者名を自動識別する分類機の数を、今回の参議院選挙では増やして対応。

若林区の開票所では、機械の台数だけではなく、作業にあたる人員も増やして、開票作業にあたっていた。

市選管は今回、作業時間の短縮をめざして、新たに8台の分類機を設置して29台に。また、事前の研修回数を増やすほか、実際に作業にあたる人も約100人増やして対応した。

仙台市選管が開票終了予定時刻としていたのは、青葉区が午前6時、他の4つの区は午前5時。このうち予定時刻に作業を終えたのは、宮城野区と若林区の2カ所だった。
前回のような大きな遅れはなかったが、システムの不具合などで青葉区が30分、太白区が1時間、泉区では分類機のトラブルで、約2時間、予定よりも遅れて開票終了となった。今回の結果を市選管はどのように受け止めたのか。佐藤久芳課長に聞いた。

仙台市選挙管理委員会・佐藤久芳 課長:
すごく残念。どっちかというとそっちの気持ちの方が強いが、予定の午前6時すぎぐらいには終わったので、継続して機械の取り扱いの研修も含めて、今回やったからいいではなく、毎回やらなくてはいけない

2023年の夏には、市議会議員選挙が控える仙台市。今回のトラブルを検証し、今後は定期的な職員の研修を行っていくとしている。

(仙台放送)