私がお伝えしたいのは「関係者困惑。マレーシアの盆踊り騒動」です。
首都クアラルンプールの夏の風物詩で、毎年3万5000人が参加する盆踊り大会が、騒動に巻き込まれています。
7月16日の開催に向け準備が進むなか、イスラム保守政党出身の閣僚が「盆踊りには仏教の影響がある」「イスラム教徒は参加しないほうが良い」と不参加を呼びかけたんです。
主催者の日本人会関係者は「40年以上の歴史のなかで抗議は来たことがなかった」と困惑。
ポイントはこちら。「総選挙が近づくなかの票集め?多民族国家の難しさも」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
クアラルンプール近郊で開催する盆踊り大会は、日本人会や在マレーシア日本大使館などが主催し、1977年から続いている伝統行事です。
新型コロナで2年連続中止となりましたが、今年は3年ぶりの開催に向け関係者が準備を進めてきました。
今回の発言の背景にあるのは、早ければ年内にも行われるマレーシアの総選挙があります。
イスラム保守政党出身のこの閣僚の発言は、盆踊り大会を政治問題化することでイスラム教徒から支持を広げたいものと見られている。
発言に対して、開催地スランゴール州のスルタン(イスラム王侯)が声明で、自ら参加した経験を明かした上で、「日本文化を紹介するもので両国の交流を広げる」と表明し、事態の収拾を図っています。
現地の日本人会も大会の意義を訴え、今のところ予定通り開催することにしています。
(FNNバンコク支局 百武弘一朗)