新型コロナの影響による牛乳の需要低迷。それに続いて飼料価格の高騰が直撃し、酪農家が今、苦境に立たされている。

宮崎・新富町新田で約250頭の乳牛を飼育する、本部博久さん。本部さんはこの農場の3代目。2018年に法人化し、飼育頭数の増加などを目指してきたが、ここ数年は厳しい状況が続いている。

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本部農場・本部博久さん:
規模拡大をしていって、安定的に生乳生産をしていこうと思っていたのですが、現在の状況では安定生産よりも自分たちを守るのが大事じゃないかと

エサ代高騰で年間1000万円も…

新型コロナウイルスによる学校の休校や飲食店の休業などで、牛乳や乳製品の消費が落ち込み、さらに深刻なのがエサ代の高騰。

質の良い牛乳をつくるのに欠かせない配合飼料は、ウクライナ情勢などによる供給不安と急激な円安などで価格が高騰。1日に約2,500kgの配合飼料を使う本部さんの農場では、年間で1,000万円以上コストアップした。

配合飼料は7月からさらに値上げされ、6月と比べてさらに100万円ほど経費がかさむ見込み。

本部農場・本部博久さん:
エサを変えてしまうと牛乳の生産は落ちるんですけど、それに伴って繁殖や病気にも関わってくるので、なるべくエサは変えずにコストを下げる努力をやっていました。もう限界ですね

生産コストが上がり続ければ、飼育する牛を減らしていくしかない。

本部農場・本部博久さん:
県内の酪農家が生産した安全安心な牛乳をたくさん飲んでいただき、今後も酪農家が経営を存続していけるようご協力をお願いしたいです

コロナと飼料高騰で、2年以上にわたって影響を受ける酪農家たち。牛乳や乳製品の消費拡大を切実に願っている。

(テレビ宮崎)

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