ロシアのウクライナ侵攻により、ガソリンや海産物、日用品まで様々な物が高騰しているが、その影響がついに"夢のマイホーム"にまで及んでいる。
価格はどうなる?購入する人はどうしたらいい?気になる対策に迫る。

住宅建設の"支え"はロシア産…木材は2倍以上に高騰

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北海道函館市で建築中の住宅。7月の完成を目指し、作業が続いている。

不動産企画 ウィル・佐藤真一 代表取締役:
この床材は厚みが28ミリくらいある合板なのですが、表面のところにロシア産が6割くらい入っている

日本の住宅を支えてきたのが、森林大国・ロシア産の木材だ。しかし、ウクライナ侵攻で日本は木材の輸入を規制。価格が高騰している。

1立方メートルあたりの価格は、2021年3月には6万円台だったのが、2022年5月には13万円台と倍以上に。住宅価格も値上げせざるを得ない状況だという。

不動産企画 ウィル・佐藤真一 代表取締役:
(住宅価格は)原材料だけでも150万くらいは上がりますので、住宅を買う方にも相当なご負担になる

購入を検討する人たちにも、戸惑いが見られる。

Q.実際に買うとなると大変?
住宅購入を検討する人:

それはあります。お金がないから、自分の夢を小さくしなきゃならないものもある

住宅購入を検討する人:
自分がやりたいこととなると、予算内オーバーしたり

「避けられない影響」 実感する"ロシア依存度"

木材だけではない。マイホームにはさらなる暗雲が…。ほかの住宅メーカーも頭を抱えていた。

ホーム企画・角田隆芳 代表取締役:
ニッケルはロシアが15%、世界のシェアとして生産がある。ちょっと時間がかかるものの、影響はしてくると思う

キッチンのシンクなどに使われる、ステンレスの原料「ニッケル」。ロシアは世界の輸出量の約20%を占めていて、今後の価格が読めない状況だ。

ホーム企画・角田隆芳 代表取締役:
鉱石関係は、主にロシアから入っているものは相当あると思う。影響を受けてもおかしくない。ただ見当がつかない

先が見えない状況…「高い…でも買いたい」には“妥協”も必要か

手が届きにくくなっている"夢のマイホーム"対策と、今後の見通しを、専門家に聞いた。

東京カンテイ・井出武 上席主任研究員:
ウクライナ問題もそうだし、それとインフレの問題で言うと、今、価格が上昇する圧力しかかかっていない状況。(価格が)下がる可能性が高いのかどうか、難しい判断になる

住宅価格の上昇が避けられない状況の中、井出さんがポイントにあげたのは、立地と中古物件だ。

東京カンテイ・井出武 上席主任研究員:
少し駅から遠い物件を選んでその分、価格を安く購入する。新築で考えている方が、築年の浅い中古の一戸建てを買うというのがマーケットに出ているケースもあるので、こういう方法もあるのかなと思う

日用品などに続く住宅価格の高騰…。私たちの元に平穏な日常は戻ってくるのだろうか。

(北海道文化放送)

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