私がお伝えしたいのは「新茶の収穫をAI(人工知能)がお助け」です。

いつお茶を摘むのか、そのタイミングが難しく長年の経験や知識が必要だというお茶農家。

伊藤園と富士通は最適な収穫時期を、茶葉をスマホなどで撮影するだけで判断できる技術を開発しました。

撮影した画像をAIが解析し、判断の指標となるアミノ酸量などを推定します。

ポイントはこちら。「後継者の育成にも貢献。AI活用で持続可能な農業を」注目です。

【注目ポイント・記者解説】

お茶の収穫は新芽の成長途上で行われるため、最適な収穫の時期が遅れると、芽が大きくなるため収穫する量は多くなりますが、その一方で品質は低下します。

というのも、お茶のうま味成分のアミノ酸は、新芽の成長とともに増加しますが、葉が成長して硬化し始めると急激に減少してしまうからです。

このように茶葉を最適な時期に収穫するためには、成分量や繊維量などを見極めることが重要で長年の経験や知識が必要なのだそうです。

ただ、この見極めは一朝一夕でできるようになるものではなく、後継者の育成や、新規参入する際の高い壁となっています。

こうした課題を解決するために開発された“茶摘みタイミングを見極めるAI”は、約8500枚の茶葉の画像を学習していてこれに伊藤園の茶栽培に関する知見を組み合わせることで、撮影した画像から、アミノ酸量や繊維量などを推定することが可能となりました。

必要なのはスマートフォンやタブレットだけ。

来年から伊藤園の契約産地での本格展開を目指します。

(フジテレビ経済部 秀 総一郎 )

秀 総一郎
秀 総一郎

フジテレビ報道局経済部記者。経産省・公取委・エネルギー・商社業界担当。
1994年熊本県生まれ 幼少期をカナダで過ごす。
長崎大学卒業後、2018年フジテレビ入社。
東京五輪、デジタル庁担当を経て現職。