アートの魅力をリアルとデジタルで

宇宙服を着込んだキャラクターが、暗闇にたたずむこちらの作品。

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時間がたつにつれ、背景や他のキャラクターが浮かび上がり、黒一色だった絵は、勇壮感ある作品へと変貌します。

このようなデジタルアートが楽しめる展示会は、三井不動産が去年9月に発表したプロジェクトの一環で、27日から東京・日本橋で始まった。

上中勇樹キャスター:
こういった様々なデジタルアート作品を、リアルで楽しむことができる展示会場なんですが、お手持ちのスマートフォンやタブレットでも、このデジタル空間で作品を楽しむことができます。

展示会場には、オフラインとオンラインどちらからでもアクセスが可能で、イラストレーターやアニメーターなどが、「未来の都市」をイメージしたデジタルアートが展示されている。

町並みも作品の一部に…景色とAR映像の融合

さらに作品は、展示会場の外にも…。

上中キャスター:
先ほどの会場からほど近い場所に設置されているこちらのポスター、ここに専用のアプリをかざしますと、AR=拡張現実で映像を楽しむことができます。

このほかにも、道路にかざすと能楽をイメージしたAR作品が表示されるなど、デジタルを活用し、日本橋の町並みを作品の一部として表現している。

アーティスト活躍の舞台が広がる

これらの作品の一部は、デジタルコンテンツの権利証明書「NFT」と紐付け、6月中旬にオークション形式で販売、収益の一部をクリエイターに還元する仕組み。

AR作品の制作者 AR三兄弟 川田十夢さん:
コロナの影響もあって、大きな公演でたくさんの人を集めて、というのはまだまだしにくい状況なので、こういった芸能やパフォーマンスの見せ方があると、演者やパフォーマンスする側も、新しい場所を手に入れるので大きいなと思います。

三井不動産は、会場運営にデジタル空間を用いることで作品に触れる機会を増やし、日本橋に来るきっかけにつなげたい考えです。

三井不動産商業施設本部 安田嵩央さん
まさに場の有効活用ということで、場所って“こう使わないといけない”というルールや固定概念があると思うんですけれども、今回のようにデジタルアートをリアルの場で設定したり、そのリアルからデジタルにもということで、あらゆる場を設定できる三井不動産の場のプロデュース力を感じていただければ。ただ単に「箱を貸しますよ」からは脱却して、いろいろな提案ができるのではないかと思っております。

内田嶺衣奈キャスター:
デロイト トーマツ グループの松江英夫さんに伺います。

不動産会社が取り組むクリエイター特区、どうご覧になりますか?

文化をバーチャルで体感 不動産に新たな価値

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:
非常に面白いですし、可能性を感じますよね。

不動産業が持つ土地や建物、こういったリアルにそこにあるものを生かしながら、今までなかったような体験をバーチャル上でできる。「在るものを生かして無きものを作る」こんな発想で不動産業の価値を再定義することにつながる。そんな取り組みではないかとみています。

不動産業は土地や建物という動かない資産をベースにしていますから、その場所に来てもらわないと価値が伝わりにくい。こういった制約も実はあるんですが、その反面、動かない資産だからこそ、多くの人が歴史的にそこに集って生まれた、その土地ならではの文化という見えない資産がある。ここにも注目する必要があると思うんです。

文化という“見えない”資産をクリエイターの力を借りて“見える”作品にして、体感できる文化という価値に変えることができた。ここが大きな特徴だと思います。

内田キャスター:
土地や建物と違って、デジタル空間の広がりには制約もありませんし、文化を体感する機会をより多くの方に提供できそうですね。

松江英夫氏:
デジタルアート化することによって、能動的に発信することができますから、その土地にいらっしゃる方以外にも、遠隔地の方にも顧客接点を広げることができる。

さらにはコンテンツに関しても、過去の歴史的な町づくりだけでなく、将来の町づくりまで含めて、いわば時間的にコンテンツの幅を広げることができるので、経済価値に変えられる可能性も広がると思うんです。 

土地や建物という動かない資産で「在るものを生かして無きものを作る」、こういった発想で新しい価値を生んでいく。こういった取り組みは不動産業だけでなく、他の産業にも広げることができると思います。

観光地の魅力もバーチャル空間で 特産品の販売も

内田キャスター:
具体的には、どのように応用していけるんでしょうか。

松江英夫氏:
例えば観光業がその典型例ですが、大阪や沖縄、京都といった地域では、その土地の文化をバーチャル上で体験できるような仕掛けをつくったり、その中で名産品や特産品を実際に購買することができるところにつなげる、こうして経済価値につなげる取り組みが出始めています。

土地や建物という動かない資産の“見えざる資産”である文化に注目して、ここを価値に変えるような創意工夫。これが全国に広がっていくことを期待したいと思います。

内田キャスター:
そうですね。リアルとデジタル、不動産とアートなど、異なるものが融合することで新しい価値が生まれて、それが未来へと続いていくのかもしれません。

(「Live News α」5月27日放送より)

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