261地点で真夏日 季節外れの暑さ

5月29日、東京都心では午後2時ごろに31.2℃を観測し、5月として3年ぶりに真夏日となった。

「暑かったので(海に)来ました。水遊びをさせてあげたかった」(海に来た女性)

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5月29日は強い日差しが照りつけ、南風が強まった影響で東日本や西日本で気温が上昇。全国914地点のうち、2022年最多となる261地点で最高気温が30℃以上の真夏日となり、各地で2022年一番の暑さとなった。こうした中、群馬・高崎市、栃木・佐野市では最高気温35.2℃を観測し、全国で2022年初の猛暑日となった。

中には強い日差しを避けるためか、袋を頭の上にかざして歩く人もいた。街では「すごく暑い。(日差しが)痛いくらいで肌も出したくないくらいです」「いやぁ暑いですよ。耐えられない」などと声が聞かれた。

季節外れの暑さは、東京でも。渋谷のスクランブル交差点周辺で、街行く人を観察してみると、信号待ちでアイスクリームを食べている男性や冷たい飲み物を持っている人も多くいた。

夏さながらの光景が広がる中、多くの人が手にしていたのが小型の扇風機。

「(扇風機)これがないと無理です。ずっと移動中やっていました。長袖でちょうどいいかなと思って荷物もってきたんですけど、全然暑くてびっくりしました」(福岡から来た女性)

「常備していますね。ベビーカーの中も熱がこもって汗だくで(子どもが)寝ているので」(ベビーカーに小型扇風機をつけている女性)

また普段は、多くの人が待ち合わせるハチ公前も5月29日に限っては、わずかな日陰に身を寄せる人ばかり。ハチ公前をサーモカメラで見てみると、日陰の多くは25℃から30℃のオレンジ色。路面では25℃下の紫色の部分も見られる一方、日なたの大部分が38℃以上を示す白色一色となるなど、かなりの温度差があった。

3年ぶりに開催したビールフェスも盛況

さらに、賑わいを見せていたのが3年ぶりに開催された本場のドイツビールを楽しむイベント「日比谷オクトーバーフェスト2022~SPRING~」。

「こんだけ暑かったらビール飲むしかないなって」(イベントに訪れていた男性)

「距離があればお酒も飲めるし、会話もできるのかなという感じがしますね。待ってましたという感じです」(イベントに来ていた女性)

イベントの主催者によると、10日間の開催期間中、最終日の5月29日は最も人出が多い見込み。イベントの担当者であるオクトーバーフェスト実行委員会・白沢翔さんは「暑くなれば多くの人に来て貰えると思っていたが、それを大幅に超える人が来場している」という。

運動会で児童にミストシャワー 独自の暑さ対策

暑さの中、人が集まっていた場所は東京都内の東急ハンズにできた「暑さ対策グッズコーナー」。

「日焼けしたくない」(アームカバーの購入を検討する女性A)「この時期からすごく暑い。夏になったらもっと暑いんだろうなと思って」(アームカバーの購入を検討する女性B)

「首掛けの扇風機。手ぶらでいいやつがいいかな」(首かけ扇風機を購入検討する女性)

お店によると、週末の売り上げは好調で特に首元を冷やすものが人気だという。

さらに5月29日、運動会を開催した東京・江戸川区の小学校では“暑さ対策”としてテントの中で待機する子供たちに次々とミストをかけていた。その甲斐あってか、当日に熱中症や気分が悪くなった児童はいなかったという。

気温は上がるがマスクを外す人は減少

こうした中、東京・表参道では気温30℃以上となる中、目立ったのはマスク姿。5月22日の最高気温25.9℃ではマスクを外していた人の割合は約11%だったのに対し、5月29日は最高気温31.2℃と、5℃以上も高かったものの、マスクを外している人の割合は約7%に下がる結果に。

マスクをしていた人に話を聞くと熱中症への不安はあるものの、人混みの中では中々、マスクを外せないという。

「原宿は結構人が多いので(マスクを)着けていた方が安心かな」(女性20代)「マスクをしているのに慣れちゃって取るのに抵抗がある」(福岡から来た女性)

では、この暑さ、いつまで続くのか?樋口康弘・気象予報士は「日曜日の暑さ、5月30日までは特に関東を中心に続きそう。例年よりも気温の高い夏、猛暑が続く夏となる可能性がございます」と話した。

屋外・屋内の熱中症対策を医師が解説

スタジオでは熱中症対策について解説する。「体が暑さに慣れていないこの時期は熱中症に注意が必要です。ナチュラルアートクリニック四谷の御川安仁院長に熱中症にならないための注意点を伺いました」。

「まずは屋外の場合ですが、日傘や帽子を着用し、直射日光を避ける。なるべく日陰にいるようにする。こまめな休憩と喉が渇くまえに水分を補給する。また、塩タブレットなどで塩分を摂取を受けることも大切です」。

「一方で屋内の場合はエアコンは28℃以下に設定したうえで、扇風機も利用するとより効果的だいということです」(井上清華アナウンサー)

「吐き気やめまいなど熱中症の疑いがあって安静にしていても体調が回復しないときは医療機関を受診したり、救急車を呼ぶなどして頂きたいと思います」(三宅正治アナウンサー)

(「めざましテレビ」5月30日放送より)