来月1日付けで、JAXA=宇宙航空研究開発機構を退職する、宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が、きょう午後、記者会見を開いた。
1996年に宇宙飛行士の選抜試験で宇宙飛行士に選ばれた野口さんは、「あっという間の26年間だった。無事に3回の宇宙飛行を達成し、生還することができた」などと今の心境を語った。
その上で「3回目の宇宙飛行の後から、そろそろ後輩の宇宙飛行士に、新たに選抜が始まる新人宇宙飛行士に道を譲るべきと思い、退職の決断となった」と述べた。また今後については、「研究機関などを中心に、一民間人の立場で、宇宙に関わっていきたい」との考えを明らかにした。
一方で、今後も宇宙に行くかどうかについては「JAXAの宇宙飛行士として、宇宙に行く可能性は限りなくゼロに近い。民間人として宇宙に行くのは、半々ぐらいかなと思っている」と意欲をのぞかせた。
野口さんは、これまでに3回の宇宙飛行を経験。2005年にはアメリカのスペースシャトルに、2009年にはロシアのソユーズに、おととし11月には、アメリカの民間企業の宇宙船「クルードラゴン」に搭乗した。日本の宇宙飛行士の中では、有人宇宙活動のキーパーソンとして活躍してきた。
宇宙滞在日数は、およそ344日で、日本人としては歴代で2位(1位は若田光一さん)。野口さんの退職により、JAXAに所属する現役の宇宙飛行士は6人になる。