政府の「宇宙基本計画」工程表の改定をめぐり、中間報告案が判明した。
日本とアメリカ、オーストラリア、インド4カ国の枠組み「クアッド(QUAD)」による宇宙分野の協力を推進するなどと明記している。
中間報告案では、2021年11月にロシアが行った衛星破壊実験などを例に挙げ、「宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を妨げる脅威・リスクがこれまで以上に高まりつつある」とした上で、「サイバーセキュリティの確保など宇宙システムの抗たん性を強化することが重要」と記した。
また、「宇宙安全保障」の確保に向け、中国や北朝鮮などが開発を進める「極超音速ミサイル」を念頭に、ミサイル防護等のための「小型衛星コンステレーション」について検討を進めるとともに、2026年度までに宇宙状況監視(SSA)衛星を打ち上げ、体制強化を進めるとしている。
このほか、アメリカが主導する有人月面探査「アルテミス計画」に参加し、「2020年代後半に日本人の月面着陸の実現」を図ることも盛り込んだ。
さらに、日米豪印の4カ国(クアッド)で、「気候変動リスクや資源の持続可能な利用などに関する衛星データの交換や、インド太平洋地域の国々への能力構築支援等を進める」ことも明記した。
来週予定されている日米首脳会談やクアッド首脳会談で、こうした宇宙利用の協力について、確認するものとみられる。