玄界灘に浮かぶ福岡県宗像市の地島(じのしま)。海のシーズンを前に、島の小学生や島外からのボランティアが参加して大掛かりな清掃活動が行われた。

「拾っても大潮でまた打ち上がる」住民困惑

地島は宗像市からフェリーで約15分。透き通った海が自慢なのだが、海岸に目を向けると自然の美しさとは対照的に大量のごみが打ち寄せている。

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ペットボトルに空き缶、中身のわからないタンクまで。さらにはどこで捨てられたのか、一抱えもある巨大なごみも。

――これは何ですか?

参加者A:
冷蔵庫?

これらの漂着ごみを減らそうと集まったのは、地元の小学生やボランティアなど約150人。

参加者B:
量は多いと思います。びっくりしました

参加者C:
お酒の入れ物とか、気軽に捨てるごみが多いのかなと思いました。1人でこれだけ取れる(回収できる)なら、相当多いのかな

地元の住民:
いっぱい拾ってもね、大潮のときは(ごみが)打ち上がる。掃除しても2~3日したら潮時でいっぱいになる。

地元の住民:
(この取り組みは)大変ありがたい。年寄りばっかりになっているし、若い人はいなくなるから

大量の漂着ごみをリサイクル

4月、プラスチックの削減やリサイクルを促す、いわゆるプラスチック新法がスタートした。

多くの企業が取り組みに乗り出す中、この漂着ごみの回収を呼びかけたのは、菓子メーカーの「湖池屋」。

集めたこれらのプラスチックごみをどうするのか。

湖池屋担当者・高戸万里那さん:
海洋プラスチックごみを原料に、買い物かごを作ります

集めたプラスチックごみを溶かし、原料として再利用。スーパーなどで使う買い物かごにリサイクルしようという試みなのだ。

アジア・ロシア・アメリカからも

取材で同行した記者も活動に参加してみると…。

古賀彬史記者:
海岸には日本製のペットボトルだけではなく、ハングルが書かれたペットボトルも見つかりました。なんて書いてあるの?

参加した小学生A:
乳酸菌とか?

記者:
読めるの?

参加した小学生A:
読めません。漢字だから中国とか?遠いところからもごみが地島まで来ていて驚きました

漂着するのは日本からだけではない
漂着するのは日本からだけではない

漂着ごみの多くはペットボトル。日本のものだけでなく中国、韓国など、近郊アジアや日本海を挟んだロシア、遠くはアメリカのものも見つかっている。

トラックいっぱいに山積みされた大量の漂着ごみ。これは地元の小学生が回収した分だ。

地元の小学生B:
ペットボトルとか、何かの欠片も多かった

地元の小学生C:
流れ着いちゃっているので、私もごみを減らせるようにしたいです。できるだけごみを減らして分別してほしい

わずか1時間ほどの活動で約590袋のゴミが回収された。

湖池屋担当者・高戸万里那さん:
清掃してみて、実際に拾ったごみは日常的なごみがたくさんあった。自分ができる小さなことから、何か気づきながら生活するきっかけになればうれしい

美しい海を未来に残すために。完成した買い物かごは今後、宗像市の店舗などに配布することになっている。

(テレビ西日本)

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