主なターゲットは女性。ワークマンが東京・銀座に初めて進出する。

10年で400店舗目指す

ワークマンの女性向け店舗「#ワークマン女子」が銀座に初出店。28日のオープンに先立ち、27日、報道陣にお披露目された。

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ワークマンならではの、伸縮性や撥水加工といった機能性を備えたジャケットやスカート、パンツなどのワークウエア、カジュアルなワンピース、キャンプ用品も販売する。

そして、ワークマン初の試みが。

ワークマン専務取締役・土屋哲雄さん:
ぜひファミリーで来てもらいたいということで、ワークマンとして初めて売り場の一番前にジュニアを置いていまして、お母さんとかお父さんとペアコーデができる、そういう製品を初めて置いてあります。

銀座に買い物に来るファミリー層を狙い、親子コーデができる商品を置いているほか、男性用の商品も取りそろえている。

出店するのは、銀座4丁目の交差点からほど近い場所。GINZA SIX(ギンザシックス)や三越なども近く、ユニクロとGUに挟まれている。

ワークマン専務取締役・土屋哲雄さん:
やっぱり銀座にあるないで違うので、広告塔としての銀座の意味といいますか。銀座は10年20年前はハイヒールの街だった。ところが今はリュック背負ってアウトドアのカジュアルシューズをみんな履いている。ワークマン側に近づいてきたかな。アウトドア(ウエア)を着ている方は、相当銀座の街に多いので、存在感を示せればと思っています。

また、この銀座店はオンライン販売の要としての役割も果たす。

ワークマン専務取締役・土屋さん:
宅配を将来やめて店舗に来てもらう。店舗受け取りの拠点としての意味もある。既存店は100坪しかなくてテントとか大きい物は置けない。ウェブ注文限定、店舗受け取り限定というような販売の仕方をやっています。

10年で400店舗を目指す「#ワークマン女子」。銀座を起点に出店攻勢をかける。

国内の足固め&世界進出の礎に

三田友梨佳キャスター:
一橋大学ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに聞きます。
マーケティングや消費者行動などを研究されている鈴木さんの目には「ワークマン女子」の銀座への進出、どのように映っていますか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ワークマンは展開している各ブランドで都心部への出店を加速し、ブランド認知とブランドイメージの向上を図っています。今後さらなる成長を求めるならば、海外展開も視野に入っているのではないでしょうか。

銀座にブランドを代表するフラッグシップショップ=旗艦店を持っていることは、足元の国内市場をしっかり押さえるとともに、グローバルブランドとして名乗りを上げる際、大きな強みとなります。

三田キャスター:
なぜ、銀座に旗艦店を持つことがさらなる成長のために必要なのでしょうか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ファッション業界でグローバルブランドとして認知されるためには、主要国の一等地にグローバル旗艦店を構えるのが定石とされています。
日本ではそれが銀座で、世界的にも評価が高く、海外の名だたる著名ブランドが旗艦店やショールームを進出させています。

例えばグローバル化で成功しているユニクロの場合、日本では銀座、ニューヨークでは五番街、 ロンドンではオックスフォードストリートにそれぞれグローバル旗艦店を構えています。

三田キャスター:
フラッグシップショップ=旗艦店が担う役割とはどんなものですか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
旗艦店は単にモノを売る場所ではありません。 利益を上げる以上にブランドイメージの構築を意図して運営されています。
また、顧客や従業員、競合他社、地域社会に対して企業価値やブランド価値を発信する場所であるといわれています。

三田キャスター:
銀座への進出を成功させるためにはどんなことが鍵になりますか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
消費者は魅力的な顧客体験を経験できる小売の現場を求めています。旗艦店にはその期待も大きくなるため、それに応える必要があります。
また、銀座店の高い家賃をカバーする売上を確保するために、ブランドイメージを毀損するような活動は避けなければなりません。

ニーズの変化に対応し、消費者に驚きと喜びを与える旗艦店の構築を通じて日本から世界に飛躍するグローバルブランドへと成長することに期待したいです。

三田キャスター:
銀座に新しい風を吹かすことができるのか、今後の展開が注目されます。

(「Live News α」4月27日放送)