「山P」と書かれた人文字。整然と並んでいるのは、約200人の海上自衛官だ。週刊文春電子版に掲載されたこの1枚の写真が、いま物議を醸している。

週刊文春電子版より(4月20日配信)
週刊文春電子版より(4月20日配信)
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“北”ミサイル発射の約3時間後に撮影

写真は、北朝鮮による弾道ミサイル発射の約3時間後に撮影されたものだった。

海上幕僚監部によると、この写真は3月末に退官した山村浩前海上幕僚長のため、東京・新宿区市ヶ谷にある防衛省の中の広場で撮影。「山P」の文字は山村氏にちなんだもので、人文字の撮影は山村氏本人に事前に相談した上で計画された。

3月末に退官した山村浩前海上幕僚長
3月末に退官した山村浩前海上幕僚長

2月27日には、北朝鮮が日本海に向け弾道ミサイルを発射。3月5日にも弾道ミサイルが発射されるなど緊張感が高まる中、人文字が撮影されたのは3月16日。再び北朝鮮が弾道ミサイルを発射した、まさにその日だった。この時のミサイルは飛翔せず失敗したと見られていて、海上幕僚監部は「各種情報を確認し、総合的に判断した上で即応態勢を取りつつ、昼休みに短時間で撮影した」と説明している。

街の人たちからは、「そのタイミングでやらなくても良かったのでは」、「仕事を分担されていると思うので、そこまで批判的な立場、気持ちではない」といった声が聞かれた。

「山村氏から撮影延期を指示する判断があれば」

元陸上自衛官の“ヒゲの隊長”こと自民党の佐藤正久参院議員は、次のように指摘した。

佐藤正久議員:
さすがにミサイル発射が続いている中、現場の方は北朝鮮のミサイル警戒のために24時間365日の体制で、体制を強化しているという最中なので、タイミング的にはどうかなという指摘はあろうかと思います。

佐藤議員は、当時トップだった山村氏から参加者に対し、撮影延期を指示する判断があればよかったのではと話した。

(「イット!」4月21日放送)