ブチャでの大量虐殺を非難

ブチャでの惨状をめぐる国連の安全保障理事会が、日本時間5日午後11時ごろから始まった。
ウクライナのゼレンスキー大統領が、初演説を行っている。

日本時間午後11時から始まった安保理会合では、ゼレンスキー大統領が午後11時40分ごろからビデオ演説を始めた。安保理でスピーチするのは初めてで、ブチャでの大量虐殺を非難するとみられる。

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グテーレス事務総長が冒頭、「ブチャで殺害された民間人の恐ろしい映像を決して忘れることはないでしょう」と強い言葉で非難し、独立した調査を求めた。

これに対し、ロシア側も演説する予定で、ブチャでの虐殺を否定するとみられ激しい議論となるのは必至。
これに先立ち、ロシアの国営テレビなどは「ブチャでの遺体の映像がフェイクだ」と主張している。

ロシア国防省は、遺体の右手が動いたとする動画をスロー再生で公開し、これらは「よりドラマチックに見せるために意図的に並べられたものだ」と主張した。

中国とインドにロシア支援を控えさせる

三田友梨佳キャスター:
風間解説委員に聞きます。ゼレンスキー大統領の安保理での演説、ここに至るまでに時間がかかりましたね。

フジテレビ報道局・風間晋解説委員:
ロシアの軍事侵攻前から安保理の機能不全は目を覆いたくなるものでした。
侵略が始まってから40日が経とうとするタイミングで初めてゼレンスキー大統領が演説するのはキーウ近郊での民間人の虐殺、その衝撃と重大性を国連、そして安保理として見過ごすことはできないからです。

もう1つ指摘したいのは、今月の安保理議長国はイギリスで、そのイニシアティブがあって大統領の演説が実現するという点です。
2月の議長国はロシア、3月はロシア非難決議案に棄権したUAEでした。
因みに来月にはアメリカに順番が回ってきます。

三田キャスター:
議長国がイギリス、アメリカと続くこの2ヶ月で何が期待できるのでしょうか?

風間晋解説委員:
ロシアの拒否権を覆すことはできませんが、プーチンの戦争の非人道的な暴挙を世界に強調することでウクライナ支援を強化し、制裁に参加する国を増やし、ロシアを孤立させ窮地に追い込むことでしょう。

とりわけ中国と非常任理事国でもあるインドを居心地悪くさせることで、ロシアと距離を取らせ、支援を控えるよう仕向ける。戦争の長期化が懸念される今はそれが最優先で、戦争犯罪の追求は時間のかかる地道な取り組みになります。

三田キャスター:
国連が役割を果たせるかどうか、そこには国連そのものの改革も問われます。

(「Live News α」4月5日放送分)