新潟市は4月1日、政令市に移行して15年を迎えた。
それと同時に、副市長にはこれまで保健衛生部長として新型コロナウイルス対応などに取り組んできた野島晶子さんが就任。

野島晶子さん:
政令市15年という、まさにこの時に副市長の任に就かせていただくという、その重責に心震える思いでございます
試行錯誤で取り組んだ“新型コロナ対策”
野島さんといえば、保健衛生部長として新潟市の新型コロナ対策やその周知の先頭に立ってきた人物だ。

松村道子キャスター:
県内で最初の新型コロナ感染者が確認された2020年2月29日を振り返って思い出すことは?
野島晶子さん:
市民の不安を払拭しつつ、しっかりと感染の事実をお伝えし、(感染者の)プライバシー人権を守りながら広報していくことの難しさ

野島晶子さん:
あるとき、ふと気づいて、私は記者の皆さんに話しかけるのではなく、そのカメラの向こうの市民の方に直接語りかけようと思った

市民と対峙する思いで記者会見に臨んだ2年1か月だった。
一方、1回目のワクチン接種をめぐっては当初、予約の取りづらさや接種率の低さなどが課題に挙がった。
野島晶子さん:
できれば最初から一番いい方法で進められればいいが、その都度その都度、一番よかれと思ったことをしてきた自負はある。その後、順調に市民の接種率が上がってきてホっとしていた

育児・介護経験から思い描くリーダー像
新潟市出身の野島さんは新潟大学を卒業後、1984年に新潟市に入庁。
野島晶子さん:
入庁時は、それほど長い・大きなビジョンがあったわけではなくて、当時は配属された部署で精一杯自分の力を発揮できればいいなと思った。新潟という街が大好きだったということもある

市の職員として大きな気づきを得たのは、20代から30代にかけて2度取得した育児休業中だったという。
野島晶子さん:
独身時代は市役所の仕事には自分が利用する立場にはあまりなかったが、乳幼児の検診や離乳食講習など、市民の立場で利用するという気持ちを実感として捉えることができた

市民生活部長時代には、部長職として初めて短期介護休暇を取得。勤務時間を1日2時間短縮し、夜間を中心に父親を介護した。
野島晶子さん:
育児や介護は今、まだまだ女性が多く担っているという現実がある。そうした生活の部分を多く担ってきた人が、リーダーになっていくことの大切さというものは感じている

初の女性副市長も“女性の視点”ではなく…
女性職員の活躍を推進している新潟市。
部長以上の管理職を務める女性は近年徐々に増えていて、2022年度は全体の17%にあたる7人に。

松村道子キャスター:
お子さんは男の子お2人ですが、お弁当を1日に何個も作るということもありましたか?
野島晶子さん:
いや、子育て中はとても大変だったので、逆に今の方がマメに作っている

子育てや介護の実体験から、「市の職員として重要な気づきを得た」と話す野島さん。
一方で、そういった気づきを“女性の視点”というくくりで表現することには異を唱える。

野島晶子さん:
女性として副市長になるのは新潟市としては初だが、“女性の感性”とか“女性ならではの視点”というのはあまり好きではない。生活も含めた色々な部分を担ってきた者の視点というものが、公務だけでなく、色々な場面で生かされていくと、男性も女性もどちらも住みやすく、活躍できる世の中になるのではないかと思っている

いち生活者の視点を持って、副市長として迎えた新年度。各部の仕事を見渡し、市の事業を推し進める立場となる。
野島晶子さん:
市民の皆様に真摯に向き合い、職員がそれぞれの力を遺憾なく発揮できるよう心を配りながら、私自身職務にしっかりと向き合い、一生懸命取り組ませていただく

(NST新潟総合テレビ)