エンタメ、遠隔医療などさまざまな分野で新たな可能性を感じさせる最先端5Gの実力がお披露目された。

KDDIとソニーが実証実験

街中でスマートフォンでゲームをする2人。
手元を見るとプレイステーションのコントローラーが。

この記事の画像(7枚)

これはKDDIとソニーが行った実証実験で、自宅にあるゲームをネット回線を通じて外出先でプレーするという想定。
ここで使われている技術が、5Gの進化バージョン「5Gスタンドアローン(5G SA)」。

この技術を活用してゲームなどさまざまな用途に応じて、それ専用の回線を構築する「ネットワークスライシング」と呼ばれるシステムで、大容量の通信がスムーズに行えるという。

画面の上が、ゲーム専用回線を使った場合。
画面の下の専用回線を使っていない場合と比べて、動きがスムーズだ。

KDDIでは、2022年の夏以降、一般向けに「5Gスタンドアローン」の提供を開始する予定。

KDDI 事業創造本部 次世代基盤整備室長・泉川晴紀さん:
ロボットを遠隔で操縦するといったような産業向けのところに広がっていくと思っているし、ライブの配信でも演者とオーディエンスの投げかけ、投げ合いも「5G SA」を使うことで非常にスムーズになってより体験価値が高まると考えています。

自動運転や遠隔手術での活用も

三田友梨佳キャスター:
暮らしを変えるテクノロジーに詳しい IoT NEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
5Gの特徴とされる高速・大容量の通信がより高いレベルへと引き上げられるようですね。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
クラウドゲームのようにプレイヤー同士が離れた場所にいる状態で、高画質の映像を滑らかに、 かつリアルタイムにプレイしようとすると、従来みなさんがスマホで使っている通信方式ではカクカクしてしまうことがありました。

今回発表された「5G SA」という方式では、「ネットワークスライシング」という技術が使えるようになったのでそれが解消されます。

三田キャスター:
これまでの通信方式とは何が違うのでしょうか?

小泉耕二さん:
通信について土管の中をデータが行き交うのをイメージしていただくとわかりやすいと思います。
土管の中を大量のデータが行き交うと混雑してデータの送受信が遅くなってしまいます。

しかし「ネットワークスライシング」という技術は、土管の分割が可能になる技術なので、特定用途だけが占有できる領域を作ることができます。
その結果、必要な帯域が確保された状態での通信が可能になるので、高速になった感じがするわけです。

三田キャスター:
今後はどんな分野で広がりが期待できるのでしょうか?

小泉耕二さん:
例えば、自動運転とか緊急通信、さらには遠隔手術など安定した通信を確保しなければならない分野での活用が期待出来ます。

しかし、これらを実現するには自動運転で走る車や遠隔手術のロボットなどが普及することが前提になりますが、その通信インフラとしては「5G SA」が必要です。
今回のゲームにおけるストリーミング体験は身近なスマホを通して、その技術のメリットを理解して欲しいという狙いもあるように感じました。

三田キャスター:
「5G SA」によってどれだけ利便性が向上するのか楽しみにしたいと思います。

(「Live News α」3月23日放送分)