男性も女性も気になる“髪の毛”の問題。

傷みが気になる、年々ボリュームが減ってきたなど、髪にまつわる心配事は人それぞれだが、男女共に身近なのが「白髪」の悩みだろう。

とはいえ、白髪を染めずにナチュラルな色を楽しむ「グレイヘア」のスタイルも浸透し始めた。また、白髪交じりの魅力的な初老男性を「ロマンスグレー」などと呼ぶこともあるように、白髪は必ずしもマイナスのイメージばかりというわけではない。

重要なのは「その白髪は“ダンディ”なの、それとも単に“老けてる”の?」ということだろう。

そんな気になるポイントについて、ヘンケルジャパン株式会社が展開する「ヘンケルビューティーケア」が実施した「“男性の白髪と美容意識”に関する意識調査」が興味深い。

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調査は全国の20~55歳の男女(各250人)、計500人を対象にインターネットアンケートで実施(2021年12月27日~30日)。

その結果、「相手の『老化』を感じる部分」については、1位が「白髪(72.8%)」。続いて「シワ(67.2%)」、「体型の変化(65.0%)」という順だった。

一方で「白髪男性を『ダンディ』と感じる人」は53.8%と、半数以上が白髪の男性に好意的なイメージを持っているということがわかった。

ヘンケルビューティーケア~”責任世代男性の白髪と美容意識”に関する意識調査~
ヘンケルビューティーケア~”責任世代男性の白髪と美容意識”に関する意識調査~

そして特に気になるのが「白髪のある男性を『ダンディ』と感じる境界線は54歳」という調査結果だ。

調査は、顔写真などは使わず“白髪男性”のイメージで回答してもらったもので、その結果「ダンディと感じるようになる白髪男性の年齢」は、平均して54歳と算出されたという。

他にも「人から指摘されて初めて白髪に気づいた経験があるか」という質問には、20代男性の33.3%が「ある」と回答し、30代では47.7%、40代では24.1%、50代では20.3%という結果となっている。

同じ質問に「ある」と答えた30代女性は12.8%と男性よりもかなり少なく、若い男性ほど白髪に対して油断をしている人が多い傾向があることがわかったという。

ヘンケルビューティーケア~”責任世代男性の白髪と美容意識”に関する意識調査~
ヘンケルビューティーケア~”責任世代男性の白髪と美容意識”に関する意識調査~

相手を見たとき最も「老けてる…」と感じるパーツは白髪だったが、そんな白髪を「ダンディ」だと感じる人も過半数はいる調査結果。

ここまでは嬉しい事実がひとつ見つかったようにも感じるが、「白髪をダンディだと感じてもらえる」のは54歳からとなる。

54歳未満の白髪は「ダンディ」ではなく「老けている」と見られてしまう上に、30代の男性では半数近い人が「うっかり白髪」があり、つまり「老けて見られている」可能性が高いというちょっとショッキングな調査結果なのだ。

人生経験が「老け」を「ダンディ」にする?

この結果から考えると、54歳未満の男性は周りから「ダンディ」と思われる年齢になるまでは、白髪ケアに力を入れるのが良いのかもしれない。

調査結果やヘアケアについて、ヘンケルビューティーケアにお話を聞いてみた。

――この調査をしたきっかけは?

初となる男性用の白髪商材「サイオス カラートリートメントFOR MEN」を発売するにあたり、事前調査で男性は女性に比べ白髪ケアへの意識が低いという結果が出ていたので、なぜ男性は白髪染めへの意識が低いのか知りたいと思ったのがきっかけです。

個人的な話で恐縮ですが、「グレイヘアが似合う俳優」さんが「イケオジ」と話題になっているのを私の家族がテレビで見て「(白髪がある)俺もダンディだな」と言ったんです。でも私にはどう見ても老けているようにしか見えなくて(笑)。

自分では「かっこいい」と思っている白髪が他人から見たら「老けて見えている」ことって意外とあるのではないか、実際白髪はダンディなのか、それとも老けて見えるものなのか、もしかしたらダンディと老けて見えることには年齢の境界線があるのかもしれないと思い調査することにしました。

調査を進めると男性は約半数の方が自分の白髪は気にならないとする一方、他人の白髪は7割以上の方が気になるという回答が出たのは非常におもしろかったです。 


――「老化を感じる部分」のトップが「白髪」。これはなぜだと思う?

シワや体型の変化の方が上位に来ると思っていたので驚きでした。 この結果を受けて感じたのは、体型の変化は長年かけて起こるもので、普段会っている人だと変化を感じにくいのではないかということです。質問が「10年ぶりに会う人のどこに老化を感じるか」だったら一位は体型だったかもしれません(笑)。

また、今はコロナ禍でマスクが欠かせません。マスクをすると顔の下半分が見えなくなるので、見える面積が多い髪の毛に視線がいってしまうのも一因だと思います。それにシワは「笑いジワ」など、その人の人柄を現わす要素でもあり、あまりネガティブに映らないのではないかと思いました。

マスク生活で「髪に注目」が増えた?(イメージ)
マスク生活で「髪に注目」が増えた?(イメージ)

――では、54歳までは白髪ケアに力を入れた方がいいということ?

調査の結果から申し上げると、50代前半までは白髪ケアをした方が若々しく清潔感があるように見えると思います。

若い人の白髪がダメということはありませんが、さまざまな苦労を乗り越えた人生経験からくる落ち着きや余裕を伴うことで白髪が「老けて見えるもの」から「ダンディ」に変化するのではないかと思いました。それがちょうど54歳という年齢だったのだと思います。

タバコやストレスは白髪のリスク

――どんな人が白髪になりやすいの?ケア方法は?

加齢による白髪は、髪の毛の色の元であるメラニン色素を作り出すメラノサイト(髪の根元の毛球部というところに存在)の働きが低下することによって引き起こされます。一方で10代、20代から白髪が増え始めるいわゆる若白髪にはIRF4(Interferon Regulatory Factor 4)というメラニンの生成を制御する遺伝子が関与していることが最近の研究で明らかになってきています。

メラノサイトの働きが低下する原因としては、活性酸素による酸化ダメージが挙げられます。喫煙やストレスの多い生活は活性酸素による様々な酸化ダメージを体内で引き起こすことが知られており、この酸化ダメージによって、メラノサイトの働きが低下し、白髪の原因の一つになっていると考えられています。

加齢、遺伝いずれにしても、白髪防止策としては、喫煙は控えること、ストレスをためないようにすること、十分な睡眠とバランスの取れた食事をとることを心掛け、酸化ダメージを受けないようにすることが大切です。

また、酸化ダメージの低減という意味では頭皮環境を清潔に保つことも重要です。毎日のシャンプーで毛穴に詰まった皮脂や整髪料などをしっかり落としましょう。清浄な頭皮でいる時間を長く確保するためにも、朝よりも夜にシャンプーする方が有効です。

白髪染めの頻度についてですが、白髪染めの染料が白髪の直接的な原因になるというエビデンスは報告されていません。

白髪ケアには“夜シャン”がオススメ
白髪ケアには“夜シャン”がオススメ

なおヘンケルビューティーケアが「将来白髪になりやすい人チェックリスト」として挙げているのは以下の6点だ

・タバコを吸う
・ストレスが多い方だ
・10~20代の頃から白髪がある(本数にかかわらず)
・両親をはじめ、近親者に白髪の人が多い
・外食が多い
・睡眠不足気味である

このうちの一つでも当てはまれば「将来急激に白髪が増える可能性あり」ということで、今一度生活習慣を見直してみるきっかけにしてみるのもいいだろう。

長引くマスク生活で、髪の毛が注目されるようになった現在。“ダンディな白髪”が似合う年齢になるまではぜひ毎日のケアを、そして“ダンディ白髪世代”の方はぜひナチュラルな髪色を楽しむ工夫をしてみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。