「給湯室にナマコを置き忘れた社員へ」業務連絡に大反響…その後に“退職の挨拶”と判明!? 経緯を聞いた

ある会社での“置き忘れ”を伝える、Twitterでの連絡が話題となっている。

それが、1927年創業の株式会社木村鋳造所の公式Twitterアカウント（@KimuraFoundry）で伝えられた朝の業務連絡。

給湯室の冷蔵庫の中にあったという忘れ物で、「忘れずに取りに来て」といった普通の連絡内容なのだが、その品が少し変わっていたのだ。

【業務連絡】
給湯室にナマコを置き忘れた社員へ

あなたのナマコが冷蔵庫で待っています。名乗り出なくて良いのでナマコを忘れずに取りに来てください。

このコメントと共に1枚の画像も投稿。そこには茶色のナマコの姿が。ずんぐりとした形状に、ヌルヌルとした表面はツヤっとしている。

この記事の画像（6枚）

これだけでも驚きなのだが、さらに続きがあった。その日の昼頃に再度冷蔵庫の中をのぞいてみると、7個に増えていたというのだ。確かに袋に入ったナマコのような姿が確認できる。

これには思わず「ちょ…まって…増えてる…増えてるよ…冷蔵庫がナマコだらけ…」と困惑した心境を担当者がTwitterにコメントしていた。

その後も冷蔵庫に入れたままにしていたそうだが、「どうなったか教えて欲しい」といったリプライが来ていたこともあり、担当者はナマコのことがずっと頭から離れなかったという。

そして夕方になってこの“謎”が判明し、状況をTwitterで改めて報告。冷蔵庫内のナマコは、勤続45年の社員による“退職の挨拶”の品だったのだ。

木村鋳造所にあったナマコについてのご報告です。
明日から有給消化にはいる社員(勤続45年)が｢美味しいナマコをみんなに食べて欲しい｣と持ってきた物でした。

この一連のナマコ投稿にはTwitterでも「感謝の気持ちの詰まったナマコ」「斬新なご挨拶！」といったコメントや、中には「楽しそうな会社」「そういう会社で働きたいです」と会社を称賛するコメントなどがあり、最初の投稿には5万のいいねがつく話題となっている（2月10日時点）。

「え？なぜ？ナマコ？」軽い気持ちでツイート

退職する社員の気持ちがこもった“ナマコ”だったようだが、その後どうしたのだろうか？木村鋳造所のTwitter担当者に話を聞いてみた。

ーーなぜ、このツイートをしたの？

同僚から「ナマコがあるから写真撮ってツイートしたら？」と声をかけられたので、軽い気持ちでツイートしました。いろいろな社員からツイートの「ネタ」を提供されるので日常的なことです。

ーー業務連絡はツイートだけ？

業務連絡のツイート以外は、発見は朝礼後だったため周りに聞いたぐらいです。

ーー最初に見た時の心境は？

え？なぜ？ナマコ？

ーー実際に触ったりしたの？

手のひらに乗せるとずっしりとした重さがあり、袋越しに触ってみたところ適度な弾力がありました。

ーー昼頃に冷蔵庫内を見ると増えていたが、どう思った？

ビックリしたので一度冷蔵庫を閉じて、再びそっと開けて様子を見ました。困惑しかなかったです。

ナマコ酢にした社員「とても美味しかった」

ーーどうして「退職の挨拶の品」だと分かったの？

夕方同僚から聞きました。（退職する社員の人は）「美味しいから食べて」と言っていたそうです。

ーー「ナマコが退職の挨拶の品」と知ってどう思った？

海産物などが好きなイメージの社員だったので、ナマコか！と笑いました。普段からお茶目な性格の人だったので納得しました。

ーー投稿は大きな反響になっているが？

木村鋳造所は今年で創業95年になります。自動車ボディプレス金型用鋳物の国内シェアは4割強と多くの自動車メーカーに選ばれております。鋳物の型として使用している発泡スチロール模型技術は、現在国内のアミューズメントパークや高級ブランドなどで大型の装飾品として広く採用されています。しかしながら、完全受注生産のBtoB企業のためまだまだ知名度が低いです。今回の「ナマコ」を通して一人でも多くの方に「木村鋳造所」の存在を知っていただくことができ、非常に嬉しいです。

ーー退職する社員の人は、この反響を知っているの？

Twitterなどをやらないタイプなので知らないと思います。会社にくることがあったら話をしてみるつもりですが、Twitter自体をあまり知らないはずなので反応は薄そうです。

ーーその後、7個のナマコはどうしたの？

1人1つ持ち帰りました。ナマコ酢にして食べた社員によると「とても美味しかった」そうです。