17日、初めての記者会見に臨まれた愛子さま。その「お言葉に込めた思い」をフジテレビ社会部・宮内庁担当記者が「イット!」スタジオで解説する。

愛子さま初会見で見えたお人柄

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社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
幼い頃から担当記者として拝見してきて、大人になられた愛子さまが原稿も見ずに記者に目を配りながら丁寧にお答えになっている。その清々しい姿はとても心に響きました。まず会見の冒頭のご挨拶の場面、記者が「成年皇族としてご活躍されておりますことを心よりお喜び申し上げます。おめでとうございます」「率直なお考えやご意見をお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします」と声をかけると、愛子さまは「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」とすごく柔らかい笑顔で2方向に礼をされるなど、初々しさと、誠実に対応されようとしているお姿が初めから垣間見えました。

愛子さまの長所は?ユーモア交えたお答えも

フジテレビ社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
まず16日の地震の被災者へのお見舞いを述べられた愛子さま。その後、皇室の一員としての思いを次のように話されました。

愛子さま:
上皇陛下が折に触れておっしゃっていて、天皇陛下にも受け継がれている「皇室は国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると私は認識しております。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
皇室のあり方については、引き締まった表情でお話しになりました。注目したいのは陛下について「父」ではなくて「天皇陛下」というワードを使っていらっしゃるところなんですね。会見では「天皇陛下」と「父」という両方の言葉を使い分けていらして、愛子さまが陛下の公的なお立場を大切にして、公と私の区別をしっかりされているんだなというふうに感じました。

一方、ご自身の長所についての回答では笑顔が多く見られました。

愛子さま:
事前にこのご質問をいただいたので、じっくりと考えてみまして、強いて申し上げるなら「どこでも寝られるところ」でしょうか。以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、その着いた晩に縁側にあるソファーで寝てしまい、そのまま翌朝を迎えたなんてこともございました。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
この後、周囲に聞いてみたら、実際愛子さまはどこでも寝られる方だそうなんですけれども、こうやってユーモアを交えて、それが聞き手に伝わっているかどうか目を配りながら確認されているようなご様子もあったんですね。

加藤綾子キャスター:
私も見ていて、こんなにかわいらしいエピソード聞いたんだから記者の皆さん笑ってあげたらいいのにと思ってしまったんですけど、この発言した時の会場の雰囲気ってどうだったんですか。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
ほのぼのとしたエピソードだったので、私はちょっとクスッと笑ってしまったんですね。ただコロナ禍なのであまり声を出せないという状況もありまして。だけど会見場の空気が一気にこの時に緩んだのを私は感じました。
一方、短所については次のようにお話しになっています。

愛子さま:
自由にのびのびと育ったようで「少しマイペースな部分があるところ」だと自覚しております。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
少し照れながら「マイペース」と自己分析されたんですが、特殊なお立場に生まれ育って制約の多いご生活なのかなと思いきや、自由にのびのびと育ったという風に感じられているんですよね。

これは愛子さまが生まれ持った大らかさとともに、両陛下の愛情によるところが大きいのかなとも感じました。会見ではまた、その両陛下への感謝の言葉もお話しになりました。

両陛下への感謝「これからも長く一緒に時間を」

愛子さま:
私がどのような状況にありましても、一番近くで寄り添ってくれるかけがえのないありがたい存在でございます。これまでたくさんの愛情を注ぎ、育ててくださったことに深く感謝しております。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
さらに、両陛下については、これまで困難に直面した時「私の気持ちを尊重しつつ的確なアドバイス」があったこと、また「両親からもらった大きな愛情や励ましが私の支えだった」というふうに振り返られました。

このお答えの後に私の方から質問させていただいて、誕生の際に皇后さまが涙ながらに語られた「生まれてきてありがとう」という言葉を踏まえて、両陛下に対して逆にお伝えになりたい言葉がおありかどうかと伺ったんですね。

これに対して愛子さまは「私も生んでくれてありがとうと伝えたい」と明かされました。

加藤綾子キャスター:
もう本当に感動しました。これは宮崎さんの質問から出てきた言葉だったんですね。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
やはり皇后さまの言葉がとても印象に残っていたので、娘としてどう受け止めているのかというのが伺いたいなというふうに思いました。そしてとてもウィットに富んだ答えをしてくださったなと感じました。

その後に「これからもどうかお体を大切に、これからも長く一緒に時間を過ごせますように、と申し添えたい」というふうにも語られました。私も子を持つ親の一人として、とても胸が熱くなるお言葉でした。

さらにご家族の思い出については、こんなエピソードも明かされました。

愛子さま:
(那須御用邸の海で)サーフボードを海に浮かべて、そこに3人で座る挑戦をして、見事全員で落下した思い出など、お話しし始めると日が暮れてしまうかもしれません。

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
揃って海に落ちて笑い転げられたであろう三方の姿も目に浮かびますし「日が暮れてしまう」という話しぶりからは、そうした爆笑エピソードが多々おありなんだろうなということも伝わってきます。

原稿見ずに30分間…愛子さまの「まなざし」

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
30分間の会見中に私がとても心を打たれたのは愛子さまのまなざしなんですね。お手元には原稿が置かれているんですが、ほとんどご覧にはなりませんでした。それなのに、とても的確なお答えを30分間お続けになったことです。

幼い頃から大相撲の力士のしこ名と本名と出身地を全て暗記されていたり、記憶力に秀でていらっしゃるというのは以前にも紹介したことがあるんですけれども、あれだけの会見の内容をどのようにして記憶されたのか気になりますよね。

ちょっと調べてみたんですが、どうやらその質問に対してきちんとご自分の言葉で答えられるように、何度も何度も回答を練り直しているうちに自然と内容が頭に入ってしまった。とても自然体で記憶されたようなんです。

さらに愛子さまはこの会見で「なるべく具体的に、自分の言葉で自分の思いを皆さんに知っていただけるよう伝えたいと思って、準備をしてまいりました」というふうにも説明されています。ご自分でじっくり考え抜いて紡いだ言葉だからこそ、持ち前の集中力と記憶力で完璧にインプットされたのではないかと思います。

質問を聞くときには質問者の目をじっとご覧になり、お話しになるときは右に左にと記者ひとりひとりに目を配られていました。質問した記者に対して“愛子さまスマイル”を向けられ、思わず記者たちも笑顔になるという状況でした。

記者の目を見て質問を聞いて、ユーモアを交えて話すという姿勢は、実は陛下の姿そのものなんですね。今回も陛下から伝授されたそうなんです。

会見の経験が豊富な父からのアドバイスは「こういうふうにすると緊張が少し和らぐよ」ですとか「お一人お一人の顔を見ながら目を合わせつつ、自分の伝えようという気持ちを持って話していくというのがコツ」だとお伝えになっていたそうなんですね。実際、愛子さまは素直にそれを実践されていました。

今後の進路は「まだまとまっていません」

社会部 宮内庁担当・宮崎千歳記者:
今後の愛子さまについてですが、進路は「現時点ではまだ考えがまとまっていません」というふうにお話しになっていました。

「どこでも寝られる」という長所ですとか「マイペースなところ」とか、そういうところを大切にしながら、学業と公的な活動に少しずつ向き合っていかれるお姿をこれからも楽しみに拝見していきたいというふうに感じました。

加藤綾子キャスター:
聡明さとやさしさがとても伝わってくる、心が温かくなる会見だったと思うんですけれども、どうご覧になりましたか。

古市憲寿氏:
こんな二十歳います?っていう、それぐらいにしっかりした会見で驚いたんですけど。本当はストレスが多い環境でもあると思うんですね。愛子さま自身Z世代という、SNSでの評判とか入ってくる状況にあって、ちゃんとこういう会見を立派にするっていうのは、本当にすごく素敵だなってことを思いました。

加藤綾子キャスター:
今後どんなご活動をされるのか、ますます楽しみになりますね。

(「イット!」3月18日放送分より)