2021年4月、宮城・白石市の小学校で防球ネットの支柱が折れ、児童2人が死傷した事故で、警察は小学校の校長など2人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。

学校が事故防ぐ注意義務を怠る

この事故は2021年4月、宮城・白石市の白石第一小学校で校庭に設置されていた防球ネットの木製の支柱が根元から折れ、折れた支柱に当たった松野翔慎さん(当時11歳)が死亡し、別の児童1人が重傷を負ったもの。

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警察はこの事故について、2022年2月3日、小学校の男性校長(60歳)と校舎の安全管理や点検方法を指導する立場の男性の主幹教諭(57歳)の2人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。

警察によると、校長と主幹教諭は事故を防ぐ注意義務があったにも関わらず、必要な点検や、防球ネット付近で遊ぶことを禁止するといった児童への指導を怠り、放置したことで2人を死傷させた疑いがもたれている。

警察によると、2人は「古い木柱だとは思っていたが、倒壊という具体的な危険性は認識しておらず、具体的な点検方法などを指示していなかった」という趣旨の話をしているという。

亡くなった翔慎さんが眠る白石市内のお墓。事故の発生から9カ月となった1月27日。月命日に墓前で手を合わせる男性校長の姿があった。

男性校長:
毎月、お墓には職員が学年ごとに、自宅には教育委員会と学校が伺っている

記者:
毎月どんな思いで

男性校長:
「再発防止に努めて学校もやっています」と翔慎君にお話ししている。二度と同じようなことを起こさないと、学校職員、精一杯やっているところ

これまで以上の安全対策をさらに徹底

今回の書類送検を受け、白石市の山田市長が会見を開いた。

白石市 山田裕一 市長:
大変重く受け止めている。学校で子供が亡くなる、あってはならない事故が発生してしまった。この事実を決して風化させてはならない。新年度も教職員の安全対策の研修や保護者・専門業者の力も借りて、これまで以上の安全対策をさらに徹底して、子供たちの安全な学びの場を確保していく

遺族は仙台放送の取材に、
「校長と主幹教諭に一定の責任はあると思うが、それよりも長年見過ごされてきたことに問題がある。二度とこのようなことが起きないようにすることが一番大切」
とコメントしています。

(仙台放送)

仙台放送
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