海岸に漂着する海藻。
「これはもったいない」と立ち上がった人がいる。
株式会社キミカの代表取締役社長・笠原文善さんの父親だ。
1941年、笠原さんの父は海藻から「アルギン酸」を製造する技術を開発。日本で初めて工場で大量生産することに成功した。
この記事の画像(5枚)笠原さんは「父がよく言っていたのは、大量の海藻が漂着しても全く利用されていないのは『もったいない』と。海藻からしかとれないアルギン酸に特化して『なんとか資源として活用しようと思った』そうです」と振り返る。
海の恵みで暮らしを豊かに
アルギン酸はコンブのぬめりの成分で、パンの食感を良くしたり、内服薬や化粧品など幅広く使用されている。
父の思いを継いだ笠原さんはその原料をチリから調達。生きた海藻ではなく、役目を終えて海岸に漂着した海藻だけを使っている。
海藻は腐るとCO2を排出するため、温暖化対策にも貢献。
また、現地の漁業団体を買い取り、漁業者の収入アップにもつなげた。海の恵みを無駄にせず、現地の人たちの暮らしを支える仕組みも考えられている。
チリで海藻収穫をする男性は「海藻の価格が安定するようになり、家族の暮らしはとてもよくなりました。今では多くの家族が、この海岸で暮らしています」と話す。
さらに、海藻の残りはミネラル豊富な肥料に加工。海外の自社工場周辺の農家に無償で提供している。
海の恵みで暮らしを豊かにしたいと願う笠原さんは、「アルギン酸をわが子だと思って、愛情を込めて育てています。限られた資源を活用するわけですから、人様のお役に立つこと、それが一番大切だと思います」と語った。
株式会社キミカ
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