SMSが届いて騙される 「スミッシング詐欺」急増 

「スミッシング」。SMS=ショートメッセージサービスと、フィッシング詐欺を掛け合わせた造語で、今その被害が急増している。気付かないうちに騙される、その巧妙な手口とは…。

<SMSの内容>
「会費のお支払方法に問題があります」

スマホに届いた一通のSMS。よく見ると…カタカナでアマ「ソ」ンと、大手オンラインストアを装っている。

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ほかのSMSでは…

<SMSの内容>
「お客様の口座は悪用された可能性があります。速やかに安全認証を実施ください」

不安をあおる文言とURLが。
迷惑電話などのセキュリティアプリを開発する会社によると、これらはいずれもSMS=ショートメッセージを利用した詐欺だという。

トビラシステムズの担当者:
SMSで届く詐欺のことを「スミッシング」と呼んでいます

実在する会社やサービスからのメールを装って偽のサイトに誘導し、IDやクレジットカード番号などをだまし取る「フィッシング」詐欺。

その中でもSMSを使ったものが、名前をかけ合わせて「スミッシング」と呼ばれている。

トビラシステムズは、対策アプリなどを利用するスマートフォン約1300万台を解析。

2021年に確認されたスミッシングとみられるSMSは、数百万件。2020年の夏ごろから拡大傾向にあり、2021年の1年間は2020年と比べて約3倍になった。

トビラシステムズの担当者:
Eメールなどと比べると、ショートメールって届く情報が非常に少なくて、本物なのか偽物なのか判別するのが非常に難しいんです。これは実際のスミッシングの文面になります

宅配便会社を装ったSMSに、不在の連絡とともに記載されたURLの先には…なぜか「アップル」のサイト。
しかし…

トビラシステムズの担当者:
URLもアップルのものではないですし、偽物ですね

巧妙に作られた偽サイトだった。このサイトではIDやパスワードなどの入力を求められ、もし情報を入力してしまうと悪用される可能性があるという。

トビラシステムズの担当者:
IDを用いて何か購入されたりとか、その情報自体を売られてしまったりとか。ショートメールで届くメッセージのURLに安易に触らない、タップしないというのが非常に重要かと思います

被害に遭わないための“3つのポイント”

「スミッシング詐欺」の被害に遭わないためのポイントを専門家に聞いた。

トビラシステムズの調査では、2020年12月は宅配便の不在通知を装ったものが8割以上だった。コロナ禍で宅配便の利用が急増したことが理由とみられている。

しかし、こうした手口が徐々に認知されると、1年経った2021年12月は…半分以上が「携帯料金の未納」など通信事業者を装ったものに変わった。

その理由について、トビラシステムズの岩渕さんによると、「時事的な話題に便乗して、手口が身近なものへと変化しているのが原因ではないか」と分析している。

その対策について、主なポイントは3つだ。

1・不審なSMSは開かないこと
万が一開いたとしても、すぐに個人情報がとられることはない。

2・個人情報を入力しないこと
もしうっかりURLを触ってリンク先に移動した場合でも、まずは落ち着いて入力など絶対にせず、そのページを削除すること。

3・対策ソフトの導入
スミッシングと判別して開封を防いでくれるアプリを使ったり、携帯キャリアによる対策サービスに加入したりするのも有効。

(東海テレビ)

東海テレビ
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