視聴者から福島テレビに寄せられた「方言」に関するとあるメッセージ。方言にまつわるものだが、同じ福島県でも様々なよう。
今回はそんな方言に関する話題を紹介する。

福島市出身で、奥さんが棚倉町出身のmoyashiさんが、「福テレ空ネット」宛てに投稿したメッセージ。

妻:食べ終わったら【ひやし】ておいてね

私:冷蔵庫に入れる?

妻:いやいや、水につけておいて

私:それは、県北では【うるかす】っていうんだけど

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全国で検索される自分の知らない方言

このように、分からない方言を聞いたときに、今は検索する人が多いという。
方言検索はどんな時にするかの理由として、ヤフー・データソリューションが調べた結果によると、「方言と知らずに使っていたけど、通じなかった」「まわりで当たり前のように使われている、(自分だけ)言葉の意味がわからない」があげられるという。

また、ヤフー・データソリューションが全国で調べたところ、例えば、九州・沖縄では「ちかっぱ」(=とても)という言葉が検索されていた。
沖縄では、「ぎーらー」という言葉が検索されていた。

沖縄出身の福島テレビ・我如古梨乃アナウンサーも知らなかったこの方言「ぎーらー」。
我如古アナウンサーが地元の知り合いに聞いたところ、八重山諸島で「シャコガイ」のことをいうのではないかとのこと。

福島県の方言「ぶんず」とは…県民の5割が使う言葉

ちなみに、宮城県は「いずい」、そして福島県では「ぶんず」という方言が検索されていた。

この「ぶんず」について説明した動画がある。
福島県が制作した、県の魅力をPRする短編動画「もっと知ってふくしま!」の中に、「ぶんず」とは、プールから上がったあとの青ざめた唇の色だと紹介されている。

“ぶんず”というのは、“ブドウ”色から来ているのではないかという説や、ぶつけてできる青あざの色も“ぶんず色”と言うため、“ぶつ”から来ているという説もある。

福島県が制作 短編動画「もっと知ってふくしま!」より
福島県が制作 短編動画「もっと知ってふくしま!」より

この「ぶんず」を実際に福島県民は使っているのか調べたところ、使うが53.2%で、使わないが46.8%という結果に。
使う53%のうちでも、地域によって異なり、主に県中・県南で使われてる。

特に、須賀川市・郡山市あたりの県中では100%で、特に高齢者が使うという。
しかし、会津では81%が使わないと回答。
県北でも意外と使わない人が多く、福島市や相馬は使わないが、南相馬市では使うという。

江戸時代に形成…方言は藩単位で残る可能性が

方言の地域差について、視聴者のとろんたま屋テンチョーさんから「福テレ空ネット」のツイッターにこんなメッセージが…

方言 やはり昔の藩単位で違いません?
福島市と二本松市でかなり違うけど、郡山でも旧二本松藩エリアは方言大体一緒ですし

方言が藩単位で違うのかを専門家に聞いてみた。
東北大学の方言研究センター・小林隆教授によると、「方言は江戸時代に形成されたので、藩単位の言葉が残っている可能性はある」という。
福島出身の立正大学・白岩広行専任講師が作成した方言地図を見てみると、藩単位で分けられることがわかった。

また、「がおる」「ぱんかぱんか」「ねっぱる」「あっぱとっぱ」など、福島の方言には濁音・半濁音が多い理由は、東北大学方言研究センター・小林隆教授によると「東北地方は昔、人口が少なく集落が小さく、身内同士だけでわかる言葉が広がったので、発音が合理化されている」からではないかという。

なかなか気軽に故郷に帰れないご時世だからこそ、方言をふるさとを思うきっかけにしてみては?

(福島テレビ)

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