12球団ジュニアチームナンバー1は?

神宮球場と横浜スタジアムを舞台に、12月28日から3日間「NPB12球団ジュニアトーナメント2021」が開催されました。プロ野球の12球団が小学5年生6年生を対象に、それぞれ選出したジュニアチームでナンバー1を決める大会です。

この大会出身でプロ野球に入った選手も多く、さらに10人以上がドラフト会議で1位指名を受けています。2020年、阪神にドラフト1位で入団した佐藤輝明選手もタイガースジュニアとしてこの大会に参加していました。

プロ野球を目指す野球少年にとっては、憧れのチームのユニフォームを身にまとい、プロ野球が行われる球場に立つことができるなど、プロへの登竜門にもなっている大会です。

女子初のジャイアンツジュニア

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巨人はこの第17回大会で、初めて女子選手をチームに選出しました、小学6年生の濱嶋葵投手、12歳。最速116キロを誇るピッチャーです。

ジャイアンツジュニアの西村健太朗監督は「投げるボールもいいですし、球速もありますけど球のキレもある。ジュニア(トップ)レベルの男の子が空振りするので、(バッターは)相当速く感じると思う」と選出した理由を挙げます。

初登板で好リリーフ

濱嶋投手は、28日、初戦のタイガースジュニアとの試合で、初登板しました。

チームが4点ビハインドの3回、1死1塁でリリーフとしてマウンドへ上がります。投球練習に入ると、女子の濱嶋投手が投げるボールを見たスタンドから、どよめきが起こりました。イニング途中からの難しい状況での登板で、直後に失点はしたものの、乱打戦となっていた試合で4回以降は無失点に抑えます。伸びのあるストレートは、何度も110キロを計測。4回2/3を3安打1失点に抑える見事なリリーフで、チームの逆転勝利に貢献しました。

濱嶋投手は自信のピッチングについて「90点ぐらいですかね。逆転したあたりからテンションが爆上がりしちゃって、熱くなっちゃいました」と振り返りました。

3回途中5失点も「悔いはない」

そして30日に行われた準決勝では先発のマウンドに立ちました。初回に2点を失うと、2回にはホームランを浴びます。濱嶋投手は3回途中、5失点でマウンドを降りました。ジャイアンツジュニアはこの試合7-11で楽天のジュニアチームに敗れ、3位で大会を終えました。

試合後、濱嶋投手は「悔いはないですね。このチームが終わるのはいやだなと思うけど、楽しかった」と口にしました。

来年からは中学生となる濱嶋投手にお正月の予定を聞くと、すぐさま返ってきた答えは「ずっと練習ですね」でした。

2022年も練習漬けの日々が続きそうです。
それもそのはず、2021年は女子野球界に新たな歴史が刻まれた年でもありました。

父との練習、ミットで感じる娘の成長

濱嶋投手が野球を始めたのは、お父さんの翼さんが草野球に熱中していたのがきっかけでした。

小学1年生から本格的に始めると、旅行先でもキャッチボールをするなど、野球にのめり込んでいきました。

「野球は自分にとって、すごく大切なもの。楽しいから続けたい。もっと頑張らないとと思います」

野球を始めたころから変わらないのは、父との練習。
時間ができれば、2人で近所の公園へ。

年々、アップしていく球速。父・翼さんが、ミットで感じる娘の成長です。

「この人の球を捕れば、やる気『ある』『ない』が一球でわかる。きょうはやる気ありましたね」

父からの誉め言葉に思わず表情が緩みます。

大谷に憧れる投打の二刀流

ジャイアンツジュニアでの背番号は「17」、二刀流・大谷翔平選手と同じ番号です。

「大谷翔平選手の二刀流がかっこよくて、二刀流として頑張っていけたらなと思って、17番にしました」

バッティングも男の子に負けていません。

練習試合では、外野のネットを越えて、住宅街まで飛ばすホームランを放つなど、大谷選手ばりの二刀流です。

目標は甲子園のマウンド

濱嶋さんの今の目標は、毎年のように観戦に訪れていた甲子園のマウンドに立つことです。
2021年の夏、初めて女子高校野球の全国大会決勝が、甲子園で行われました。

参加校も第1回の5チームから40チームに増え、活躍の舞台が、どんどんと広がっています。

「甲子園のマウンドに立って投げたいです。選手の全力でプレーしているところがかっこいいなと思いました」

将来の夢は、甲子園の舞台に立つこと。そして、巨人が新たに創立した女子チーム入団といいます。
NPBジュニアトーナメントで男子選手とも堂々と渡り合った濱嶋投手の夢は、女子野球の裾野とともに広がっていきます。

(フジテレビ報道スポーツ部・北川勝則)

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