寒さが厳しくなるこれから、少し不安な現象が起きている。風呂を沸かしたり、キッチンでお湯を使う時に必要な「給湯器」が今、修理が難しい状況にあるという。背景にあるのは、世界的な半導体不足。
給湯器故障の対応が難しく
コールセンター担当者:
おそらく給湯器の故障が考えられます。当社から伺ってもよろしいですか?
仙台市宮城野区にある総合エネルギー会社。住宅で使う機器の販売や修理を行っている。
この記事の画像(8枚)コールセンター担当者:
給湯器、湯沸し器に関しては1日10件ほど電話がある。冬になると「お湯が出ない」という電話が多い
気温が下がるこの時期は給湯器の故障の相談が増えるそうだが、この対応が難しくなっている。
ミライフ東日本仙台法人 斎藤公伸 チーム長:
メーカーに給湯器を発注しても、2~3カ月待ちの状況
新型コロナによる外出制限などで、海外の半導体工場の稼働率が低下。一方、テレワークの普及や巣ごもり需要でパソコンやテレビの購入者が増え、半導体の需要が高まった。その結果、世界規模で半導体の奪い合いが発生。半導体を使う給湯器がこのあおりを受けている。
この会社では、半導体などの部品不足で修理や交換が難しいケースがあるとして、今ある給湯器を壊さないよう注意してほしいと話す。
ミライフ東日本仙台店 須田良美 店長:
凍結が(壊れる)原因の1番になるので、十分に気をつけてほしい
新車の納期が大幅に遅れる状況に
記者リポート:
半導体不足の影響は給湯器だけでなく、自動車にも影響が出ているんです
仙台市泉区の自動車販売店。新車と中古車、両方を販売している。半導体不足の影響で自動車の生産が滞り、今、新車の納期が大幅に遅れている。
宮城三菱自動車販売泉インター店 中鉢渉 店長:
新車は通常1カ月程度で納車されるが、半導体の関係で2~3カ月待ちが多い
東北運輸局によると、2021年9月から11月にかけて新車の登録台数は前年比で約25%減っている。これにより、需要が高まったのが中古車。今、中古車の価格が急激に上がっている。
宮城三菱自動車販売泉インター店中古車課 堀江高志 課長:
全国各地から入札が入るので、全体的に高値で取引されている
この店では通常、約70台の中古車を販売しているが、注文が殺到。確保出来る車も減り、今は40台ほどの車しか販売出来ない状況。
宮城三菱自動車販売泉インター店中古車課 堀江高志 課長:
中古車を展示している場所で、車両がたくさん入るが、現状がらがらになっている
半導体不足は今、幅広い業界に影響を与えている。
(仙台放送)