サバ缶でダシをとる…秋の食材使った「サバとキノコの和定食」

コロナでおうちご飯が増え、手軽に簡単に作れる料理のニーズが高まっている。多くの食通が認める名古屋の和食の鉄人に、秋の食材を使って「サバとキノコの和定食」を作ってもらった。サバ缶でダシをとるなど、プロの時短テクニックが満載だ。

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名古屋市東区にある「ふじ原」は、ミシュランガイドに並ぶ国際的なグルメ雑誌にも掲載されるほど評価の高い和食の名店で、料理長の藤原光章さんは多くの食通が認める和の鉄人だ。

今回は藤原料理長に、家庭でも簡単に作れる「サバとキノコの和定食」を教えてもらった。秋にお勧めの食材として料理長が選んだのは、「まいたけ」「しいたけ」「えのき」の3種類のキノコ。旬のキノコ類に大根、豚肉、そしてサバ缶を使う。

藤原光章料理長:
サバ缶でダシをとる。サバ缶は万能調味料といっていい。簡単なダシの取り方でワンランク上の和定食を

これだけの食材で4品を作る。

サバ缶で味わい深さとコクが格段にアップ…秋の「キノコの豚汁」

一品目は「キノコの豚汁」。
下準備で具材となる「しいたけ」は薄切りに。身が柔らかい「まいたけ」は手で割く。「えのき」は半分だけざく切りに。続いて大根の皮むきだが、ここでポイントが…

藤原光章料理長:
大根の身と皮の間にガクっていうのがある。そこを厚くむいてください。これも料理しますから捨てないで

大根の皮は厚めにむいて、後ほど別の料理に使う。
大根の身をいちょう切りにしたら、野菜の下準備は完了。ここで、サバ缶の登場だ。

藤原光章料理長:
サバ缶がダシになるんです、豚汁に入れる。深い味にするには、このひと手間をかけることで豚汁のうまさが倍に

サバ缶でダシをとり、豚汁のうまさを倍に。600ミリリットルの水に、サバの身を半分とサバ缶の汁を入れて約10分炊くことで味に深みが増すという。

色が出てきたら、かつお節を投入。いい香りが漂ってくる。
続いて、ザルでこしてサバの身と分けたら野菜を鍋に入れて炊くのだが、ここでもポイントが…

藤原光章料理長:
キノコから水分が出てくる。たくさんの水やダシを使ってしまうとキノコの(うまみが)出てしまうので、なるべく少ないダシでキノコを炊いた方が、うま味成分が残っています

炊いていると、キノコの水分で水かさが増してきた。そこに、合わせ味噌25グラムを溶いていく。

藤原光章料理長:
(醤油で)大豆のうま味を足してあげる。お味噌だけで味を調えようとするのでなくて、お醤油と酒を少し入れると深さとコクが出ます

仕上げに、少量の濃口醤油とお酒を加えるのが一流シェフの技。味わい深さとコクが格段に増すという。これで、一品目の「キノコの豚汁」が完成だ。

味付けに使うのは“麺つゆ”…残りのサバ缶で作った大和煮の「まぜごはん」

2品目は「まぜごはん」。
先ほどダシをとったサバとカツオ節に残りのサバの身を合わせて、細かくつぶして炒めていく。そこに水50ミリリットル、お酒25ミリリットルを加え、最後に味付けで使うのが、主婦の味方“麺つゆ”。

藤原光章料理長:
サバ缶の大和煮。(本来は)醤油と酒とで炊くが、今回は麺つゆ

サバ缶に水、お酒、麺つゆを入れて炒めるだけの簡単大和煮。このままご飯の上に乗せても美味しそう。鍋だと焦げ付くため、テフロンのフライパンを使うのがオススメ。水分が無くなるまで炒め、刻んだ生姜、ゴマと一緒にご飯に混ぜたら完成だ。

レンジで2分加熱するだけ…シェフの手抜き技が光る「えのきのつくだ煮」

3品目は、シェフの手抜き技が光る「えのきのつくだ煮」。
えのきを入れた器に、水と麺つゆを合わせて電子レンジ(600W)で2分加熱するだけ。あっという間に「えのきのつくだ煮」の完成、冷蔵で1週間ほど保存がきくそうだ。

最後は、とっておいた大根の皮を使っての「大根の漬物」。
酢、醤油、みりんを入れ冷蔵で40分ほど漬けるだけ。

最後にお皿に盛り付ければ、秋の食材“キノコ”と“サバ缶”を使った「サバとキノコの和定食」の完成だ。

サバ缶のダシとキノコのうま味が詰まった豚汁に、ご飯との相性抜群の大和煮。材料を余すことなく使った極上の秋の和定食だ。

(東海テレビ)

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