誰もが一度は「紙飛行機」を折って飛ばしたことがあるのではないだろうか。
そんな中で今、LCCのPeachのパイロットが考案した紙飛行機「HAPPY ORIGAMI AIRPLANE Fly Peach」が発売され、注目を集めている。

紙飛行機は、生活雑貨などを企画製造するドリームズとの協業で制作。2012年にPeachに入社したパイロットで、趣味は紙飛行機だという山田理人さんが航空力学に基づき、改良を重ねて考案したオリジナルの折り方「Fly Peach」を商品化したものだ。

デザインは2種類で、Peachの飛行機をイメージし、紙の中央にまっすぐに伸びる滑走路が描かれた「Peach Original」と、Peachカラーをスタイリッシュに用いた幾何学模様の「Peach Geometric」。

紙は厚みと張りにこだわり、繊維感があり折り目がつけやすい最適なものを選定。再生紙が使用されており、エコな商品となっている。紙飛行機(半完成品)1点と用紙(Peach Originai 1枚/Peach Geometric 2枚)、折り方マニュアルのセットで値段は1100円(税込)。
11月12日からドリームズとPeachのオンラインショップ、17日からPeachの空港店舗での一般販売が始まっており、12月1日からは機内販売も始まる予定だ。ちなみに、2021年9月に先行予約を開始した際には、想定を上回る注文で完売したという。
すでにSNSでは「飛ばしてみたい!」「面白そう!」といった反応もあるようだが、実際、この紙飛行機はどのくらい飛ぶのか? また、パイロットならではのこだわりはどんなところなのか?
紙飛行機を発売するドリームズの担当者と、後半は考案者の山田理人さんに話を聞いた。
最長で30メートル飛ばせた
――紙飛行機を発売することになった経緯は?
雑貨メーカーとして、“コロナ禍でも楽しい時間を提供できるような(「おうち時間」を充実させるような)商品を提供したいという思い”と、航空会社として、“コロナ禍で、ご家族での旅行や外出が制限されるなか、親子のコミュニケーションをつくるために「航空会社として何か提供できないか?」という思い”が合わさり、生まれた製品です。
Peachパイロットが航空力学に基づき、改良に改良を重ね考案したオリジナルの折り方「Fly Peach」を、Peachとドリームズの初のコラボレーションとして商品化しました。
――実際、どのくらいの距離を飛ばすことができる?
屋外or屋内、風や湿度などで左右されますが、弊社スタッフが飛ばした際、最長30メートルは飛ばすことができました。(ギネスの記録は約69メートル)
――なぜこの折り方だとよく飛ぶ?
「HAPPY ORIGAMI AIRPLANE Fly Peach」は、航空力学に則った折り方になっており、翼の角度による安定性、翼後ろ部分の角に傾斜をつけることによる昇降舵の役割、押し出すように投げることによる風を捉える進み方などが相まり”よく飛ぶ紙飛行機”となります。
――うまく飛ばすコツは?
機体が安定して飛ぶよう、翼部分の微調整を行ってください。投げる際に持つ箇所は、真ん中よりも少し前くらいです。思い切りスナップを利かせて投げてしまうと、風をとらえられず下に落ちてしまいますので、前に押し出すように(飛行機の下に空気を通すようなイメージで)、少し上をめがけて投げて下さい。

購入者「しっかり飛んで面白い!」「子供にもわかりやすい」
――どのように遊んでほしい?
紙飛行機は非常に繊細で奥が深い物です。良く飛ばそうと思うと、何度も試行錯誤して、調整を繰り返すことになるかと思いますが、上手く飛ばせた時の“高揚感”や“喜び”を味わっていただきたいです。またそのような気持ちをご家族や友人同士などで、分け合っていただきたいです。
――購入した人からはどんな声を聞く?
「どこを折ればいいのか子供にも分かりやすい」「しっかり飛んで面白い!」といったお声をいただいております。SNS上(購入前の方)でも、「飛ばしてみたい!」「面白そう!」といった反応を多数いただいております。
――子供でも簡単に折れる?
分かりやすく図解した折り方のマニュアルを同梱しており、用紙には折り線のガイドがデザインされておりますので、簡単に折ることができます。小さなお子様に関しましては、大人の方とご一緒にコミュニケーションを取りながら、楽しく折っていただければと思います。

――考案した山田機長は、紙飛行機が好きだったの?
はい。もともと飛行機が好きで、現職に就かれています。自分で操縦する飛行機は飛んでいる姿を見ることができませんが、紙飛行機は自分で試行錯誤して飛ばし、綺麗に滑空して飛んでいる美しい姿を眺めることができる所に魅力を感じられているようです。

続いて山田機長ご本人にもお話を聞いた。
機長「良く飛んだ時の高揚感を味わって」
――さすがパイロットという部分をあげるならどこ?
山田機長:
重量バランスを意識しました。航空力学を応用してみなさんの手で翼の後ろの部分をほんの少し曲げるなどの微調整を行っていただく事によりよく飛ぶように工夫しました。また調整がうまくいけば安定して飛びやすいタイプの折り方を採用しましたので、ぜひご家族、ご友人と試行錯誤していただき、良く飛んだ時の高揚感を味わっていただきたいと思います。
――最後に山田機長からのメッセージをお願いしたい。
山田機長:
ぜひみなさん、ご家族でこの紙飛行機を飛ばしていただいてその次はPeachの本物の飛行機に乗っていただいて楽しい思い出を作っていただければなと思っています。機内でお待ちしております。
お子様には、まずこの紙飛行機がうまく飛ぶように色々試してみてください。楽しいなと思ったら、それがきっかけでパイロットだったり、客室乗務員だったり、航空業界のお仕事を目指してもらえれば非常に嬉しく思いますので、10年後、20年後、私たちと一緒に働く人が出てきてくれればと思っています。

コロナ禍で鬱屈した状況が続いている人もいることだろう。たまには、現役パイロットが考案した紙飛行機のさすがの“フライト”を体感し、気分をスカッとさせるのも良いかもしれない。