新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せているが、コロナ禍において、ある問題が深刻となっている。スマートフォンなどでネットやゲームにのめり込む子供たちが増加している。

コロナ禍でネット依存の患者が約3倍に

宮城・仙台市青葉区の東北会病院で、ネット依存の治療を行う村田祐二医師。コロナ禍で、子供たちの変化を感じていた。

東北会病院 村田祐二 医師:
昼夜逆転して夜中にずっとゲームをやって、睡眠のパターンが非常に悪い。未来ある子供たちが社会に出てリアルの世界で人間関係をつくるうえで、非常に厳しいものがある

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使う時間や方法を、自分でコントロールできなくなる「ネット依存」や「ゲーム障害」。
大手通信事業者の調査では、コロナの感染が広がる前とその後では、「ネット依存」と「ゲーム障害」の傾向がある人を示す割合が1.5倍以上に増加した。
東北会病院ではこうした依存で新たに受診する患者が、コロナ前と比べ約3倍に…。特に、若い世代で増えているという。

東北会病院 村田祐二 医師:
視力が落ちてくる、睡眠時間を削るので睡眠不足、不眠、睡眠リズムが狂ってくる。親心として、ゲーム機を取り上げてしまうことがある。普段考えられないような暴力をふるう。親もあざだらけ、子供もけがで受診されてくるケースもある

ネットとの付き合い方をどう伝えるか?

街行く人に聞いてみた。新型コロナの影響でネットを使う時間は増えた?

街の人:
増えたね、めっちゃ増えました。毎日15分って決めてたのに、30分とかいってる。依存してるまではいってないけど一歩手前ぐらい。毎日の中にゲームをする習慣はついちゃってる

街の人:
ゲームをする機会が増えて、親の見てないところで、何をやってるか、何を見てるか、気になるんですけど、仕事や家事でそこまで目が届かないのは正直あるので気を付けたい

コロナによって、教育現場も大きな変化を求められた。宮城県内の小中学校には1人1台のタブレットが配備。浸透するオンライン授業。ネットとの向き合い方を、子供たちにいかに伝えていくか。

仙台市立 荒町小学校情報担当 後藤健太 先生:
学校に来た時の表情が暗かったり、寝不足もみられるので心配。ネットの使い方を間違ってしまうと友達同士の交友関係にひびが入ったり、犯罪に巻き込まれる可能性がある。そういったことがないように指導したい

コロナ禍で深刻化するネットへの依存。村田医師は、保護者自身がネットやゲームを理解することが大切だと指摘する。

東北会病院 村田祐二 医師:
子供がやっているゲームには理解を示す。どういうタイプのゲームで何が面白いか。どうしてやめられないか。親も理解を示すことが必要。子供だけを規制するのではなく、家族も理解して一緒にルールを作る。そこから始めればいい

(仙台放送)

仙台放送
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