「幻の備前焼」とも言われる白備前で作った2022年の干支、寅の置物の窯出しが行われた。
約2週間かけて熱を冷ました窯から、作品が顔をのぞかせた。
備前焼作家・木村玉舟さん:
大成功ですね
備前焼作家の木村玉舟さんは、江戸中期に栄え、その後、すたれてしまった「白備前」の復活に挑み、26年前から干支の置物を作り続けている。
久保さち子記者:
私たちがイメージする備前焼と、“幻の備前焼”と言われる白備前。その違いは一目瞭然です
2021年は、白備前の元祖ともいわれる閑谷焼も含め、約30点が制作された。
コロナ禍に「1人でも元気に…」
土と炎の芸術と言われる備前焼。
中でも白備前は、美しい乳白色を出すために約1200度の高温で焼き上げることが求められるため、8日間にわたり窯たきが行われた。
備前焼作家・木村玉舟さん:
トラの凛(りん)とした形を作りたくて、動物園に何回も通った
備前焼作家・木村玉舟さん:
トラという動物は、1頭で堂々と生きていけるので、“1人でも元気に生きていける”と。コロナ禍で(トラを見て)そういう気持ちに自分もなったので、そういうポーズをなるべく作りたいと思い制作した
岡山市の池田動物園などに通い、スケッチを繰り返して研究したという玉舟さん。
青みがかった瞳は、コバルトを入れた土で制作し、背中には備前焼特有の胡麻がかかり、本物のトラの毛並みのように仕上がった。
11月10日に窯出しされた作品は、11月24日から岡山市の天満屋岡山店で展示販売される。
(岡山放送)