名古屋市東区で、ミニチュアアートの作品展が開かれている。会場には「人を驚かせるのが生きがい」と話す、ミニチュアアーティストのMozuさんのこだわりが詰まった世界が広がっている。(※動画はタイムラプス)

自分が小さくなれば、このまま快適に住むことができそう

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今にも子供たちが入ってきそうな、リアルな学校の教室。机も椅子もカーテンも全てミニチュアだ。

机の色も、椅子の裏のシールも、机の上に置かれた参考書も、驚くほどリアルに再現されている。

10月9日から名古屋市東区のテレピアホールで始まった作品展「ちいさなひみつのせかい」では、ミニチュアアーティストのMozuさんの作品約70点が展示されている。

コンセントの下に作られた駅の改札。ここはMR鉄道の「冷蔵庫前駅」の南口、なんてアナウンスが聞こえてきそう…。

改札機、壁の広告、そして奥の列車までホンモノにしか見えない。

会場の中にある大きな箱に設けられた「穴」をのぞくと、一面に草木が生い茂る中に2リットルサイズのペットボトルが見える。

その中には公衆電話が設置されていて、時代に取り残された過疎地のような、道に迷ったときに偶然見つけてホッとしたような、懐かしいような新しいような感覚にとらわれる。

「実物を見て細かさを感じて」お気に入りの作品は?

アニメ「クレヨンしんちゃん」のオープニング曲でもMozuさんのミニチュアを使った映像が流れていて、それを認識した上で改めて見てみると、また新しい驚きも生まれた。

1998年、漫画家を目指していた父親と工作が好きな母親の間に生まれたMozuさん。子供のころから父親と一緒に絵をかいたり、母親に工作を教えてもらったりして育ち、テレビやゲームよりも、モノづくりにハマっていったという。

高校2年のときに自分の部屋を再現したミニチュアがツイッターで拡散され一躍、注目の人となった。

今回の会場にも男子学生や男性の部屋を思わせる作品が複数展示されているが、漫画雑誌にラジコン、ポスターなど“あるある”が細部まで再現されていて、ミニチュアなのか本物なのか瞬間的にわからなくなるほどだ。

日頃からやっている人も多いであろう、ベッドの充電器に繋がったスマホなど、日常が投影されていて、小さくなってこのまま住んでも快適に過ごすことができるのではないかと想像してしまう。

Mozuさんが「めちゃくちゃ好き」と言って見せてくれたのが、コンセントの奥に広がる「秘密基地」。

冷蔵庫、エアコン、PC、電子レンジなど必要最低限のものが揃っていて、Mozuさんが「引き籠ってずっと作業していたい部屋」を小さく具現化した作品だという。

Wi-Fiルーターの点滅やPCの画面など細かい見どころが詰まっていて、長く見ていても飽きさせない。

ミニチュアだけでなく、見る角度を変えると立体的に見えるトリックアートやコマ撮りアニメなど、アートの世界でマルチに活躍しているMozuさん。10月28日、国際的に活躍する30歳以下のクリエーターに贈られる「NY ADC Young Guns 19」を受賞するなど、日増しに評価が高まっている。

SNSで作品を紹介しているMozuさんだが、この面白さはやはり「2次元では伝わりにくい」と話していて、会場を訪れて「ぜひ生で細かさやSNSには載せていない面白さを感じてほしい」と話した。

「-MozuARTWORK-ちいさなひみつのせかい」は名古屋市東区の「テレピアホール」で11月28日まで開かれている。

(東海テレビ)

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