雨の中、71グラムの体重しかない子猫が保護され、その成長記録に応援の声が集まっている。

子猫を保護したのは、猫ボランティアの手伝いをしており、自宅には9匹の猫がいるちょとさん(@chotocha)。

9月頃に産み捨てられていたところを、ちょとさんが保護することになった。

提供:ちょとさん
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まだへその緒が付いており、ミルクも飲めていない未熟の状態で、生存率は低かったという。最初、子猫は哺乳瓶からでもミルクが飲めなかった。

提供:ちょとさん
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しかし、ちょとさんの懸命な処置のおかげで次第に飲めるようになり、数日でまずは体重100グラム台に到達。

提供:ちょとさん
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100グラム台に至るまでは、ミルクが飲み込めなかったり、下痢や低血糖のような状態になり、虫の息になってしまったりと大変だったそうだ。わらにもすがる思いで、お守りとしてもらったカテーテルを使いミルクを飲ませ、なんとか命をつないだそう。

カテーテル授乳の様子(提供:ちょとさん)
カテーテル授乳の様子(提供:ちょとさん)

ちょとさんは、自身のブログでこの子猫を「軽い…小さい…まるでシャボン玉」と綴っていたが、現在はメキメキもりもりと、怖いぐらいのペースで成長しているそうで、10月には体重が400グラム台に突入。名前も重陽(ちょうよう)くんに決まったそうだ。

現在の重陽くん(提供:ちょとさん)
現在の重陽くん(提供:ちょとさん)

この重陽くんを紹介する投稿には、「頑張れ‼︎‼︎‼️」「ぜったい大きくなるんだよ」「応援してます」などと、ユーザーからは励ましのコメントが多く寄せられた。

なんて生命力の強い子なんだろう

大変な日々を過ごしたちょとさんと重陽くん。安心できるまでは緊張の日々だっただろう。保護しているちょとさんに、当時の思いや現在の重陽くんについて話を聞いた。

ーー「重陽くん」と出会った経緯を教えて

知り合いの知り合いが、庭先に点々と生まれたての子猫が落ちていて秋雨に打たれて冷たくなっていたのを保護。(3匹)
ミルクボラ(ミルクボランティア)の経験のない方が一晩頑張ってくれたのですが、2匹は助からず。

「この子だけは助けたい…」と共通の知り合いである猫ボランティアさんを通じてミルクボランティア経験のある私に打診があり。お受けしました。
(ミルクボラは時間を拘束される為みんながみんな出来るわけではないので…)

※ミルクボランティア…ミルクを与えて、子犬や子猫を育てるボランティアの事

提供:ちょとさん
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ーー初めて重陽くんを見た時の印象は?

想像より小さくてびっくり。初めてミルクの方がお世話するには荷が重かったろうなと。正直、可愛いより小さくて脆そうで怖い。ほとんどミルクを飲めていないとの事だったので一刻も早く飲ませなきゃ…と思いました。

提供:ちょとさん
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ーーちょとさんの自宅に到着した時の状態はどうだった?

保護された方のお宅にお迎えに行ったのですが、家に着くまでの道が混んでて「救急車」が欲しい…。間に合わないんじゃないかとヒヤヒヤしました。想像より小さく一刻を争う様子だったので、帰りの車中、頭の中で帰ったらどう動くかシミュレーションしました。(笑)

そのおかげで比較的スムーズに使い捨てカイロで更に保温、お湯を沸かしてる間に計量。哺乳瓶でミルクがダメで、シリンジ哺乳が出来ました。

提供:ちょとさん
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ーー無事にミルクを飲めた時はどう思った?

シリンジで飲み込めた時、なんて生命力の強い子なんだろう。この子なら頑張れるかもしれない。と思いました。

今では大人猫に喧嘩を売るように

ーーどれくらいで100グラム台になった?

保護してから4日目で100グラムになりました。この間はずっとカテーテル授乳で命を繋ぎましたが、この頃から下痢も治まり哺乳瓶で少しづつ自分で飲めるようになりました。自分で飲めるようになると飲める量も増えて、やっと無事にスタート地点に…と思いました。

提供:ちょとさん
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ーー気持ちに余裕が出てきたのはいつから?

先ずは100グラムのスタート地点に立てた時です。そして我が家によく来るミルクっ子のサイズの250〜300グラムになった時は、軌道に乗れたかな…と。そして400グラムで歯が生えてるのを見た時にこれでなんとか逃げ切った!と思いました。


ーー重陽くんについて教えて

男の子です。10月29日に測ったら900グラムでした。どちらかと言うと、甘えん坊でマイペースでちょっと鈍臭い(笑)タイプです。

名前は、9月9日の重陽の節句の頃の生まれだったので、長寿、健康を祈り縁起の良い名前として「重陽」にしましたが、小さい時からずっとぷるぷるしていたので「ぷるぷる」と呼んでいたら定着してしまい、ぷるぷる・重陽とミドルネームとして残りそして誰も重陽と呼ばず、ぷるぷると呼ばれております。

提供:ちょとさん
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ーーたくさん猫がいるようだけど、みんなの反応はどう?

赤ちゃん猫の時は、子猫先輩も大人猫先輩も見向きしませんでしたが、ちょろちょろし出すと大人男子猫先輩はお世話をし始めました。子猫先輩達は初めから手荒く猫社会を教えてくれています。大人女子猫先輩達は見向きもしません。近寄ると怒られます。

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ーー家族の反応はどう?

はじめの1ヶ月は、2時間おきの授乳でかなり家族に助けられました。朝起きられず娘が自分でお弁当を作ったり、夕食がスーパーのお弁当でも文句なく。助かりました。

ミルク後期や離乳食になると、お世話を娘にお願いしたり。実働はほぼ私のワンオペ育児ですが広く見ると家族総出で(笑)育てたのかな。とも思います。

現在は体重が10倍以上にまで成長

ーー来たときと比べると、どう変化した?

たった2ヶ月の間に体重は10倍以上になりました。当初は1回にミルク2mlしか飲めなかったのにミルク後期には30ml飲む時もありましたし、今ではカリカリをポリポリ食べたり。トイレ介助しなきゃいけなかったのに今はすっかり自分で。

来た時の小ささや弱々しさがなくなり、子猫特有の「俺強ぇぇぇー!」期になり大人猫に喧嘩を売ったり。一丁前になりました。

提供:ちょとさん
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ーー最近の様子は?

足腰が弱く最近までぷるぷるしていたのですが、やっと足腰がしっかりしてきたのか走り回るようになりそれが楽しいみたいです。大人猫におしっぽでじゃらしてもらっていたり。先輩子猫に挑んで組み敷かれたり。毎日元気にしています。

提供:ちょとさん
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ーーこれからどのように成長してほしい?

このまま元気で健康でヒトを笑顔にする存在であってほしいと思います。里親さまを探すことになると思いますが、しっかり愛して愛されるように良いご縁を探したいと思います。


なお重陽くんの成長記録は、ちょとさんのブログから見ることができる。

ちょとさんの懸命な処置のおかげて一命を取り留めた重陽くん。まだまだ小さな体だが、生命力の強さに驚いた。これからも元気に成長していってほしい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。